【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

才能がないものほど多作である【文学版エティカ|1】

【文学版エティカ】定理1.才能がないものほど多作である【注解】フェイスブックの文芸グループの創作ものを見ると、同じ人物が毎日詩をアップする。推敲のあとも、思考のあともなく単に思いついた言葉を改行しながら並べている。才能があればそんな風に作…

永遠の恋愛小説『みずうみ』と名詩の数々|詩人シュトルムが描く美と感性の極致

永遠の恋愛小説のひとつ #テオドールシュトルム の#みずうみ #インメンゼー は悲恋小説です 生涯 一人の女性を思い続ける超 #プラトニックラブ ですが 33歳という年齢だからまだ書けたような気がします 40歳を過ぎたら これは書けないでしょうとい…

トルストイの『戦争と平和』を再読した|ホメロスの叙事詩が19世のロシアに甦った!

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─ 戦争と平和の通読が終わる ─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━ トーマス・マンは、トルストイの「戦争と平和」が素晴らしいと思えない才能は、もはや才能ではないと言った。好みの問題もあるが敵チームの4番だからあいつは嫌いだといってもすごさは…

逆不条理で文学を読む理由を考える|カミユの手帳<反抗の理由>と<シーシュポスの神話>

逆不条理で文学を読む理由を考える ①気晴らし 退屈しのぎ ②物語を楽しむ 文章を楽しむ ③生きる意味を知りたい 考えたい 世界と宇宙 神について知りたい 考えたい ①阿刀田高 西村京太郎 森村誠一 ②森鴎外 芥川龍之介 生きる意味を求めるのが若者だけど 見つか…

様々な雨の回想

【様々な雨の回想】初稿この雨の音を初めて聞いたとき言葉を知らぬ私の横には前足で顔を洗う猫がいて二人はそろって背伸びをしていたやがて ランドセルに黄色いカバーをかけて黄色い傘を片手に水たまりを飛び越えて猫たちに手をふって私は最初の学び舎へ 向…

めくらぶどうと虹<宮沢賢治作>全文朗読動画

動画です 9分30秒から朗読のさびの部分に入ります #宮沢賢治 の小品。短い #童話 ですが #めくらぶどうと虹 には宮沢賢治のエッセンスのすべてがつまっているかもしれません いずれにしても 作中のさびの部分、虹のセリフはあまりにも美しく真実です 全…

文学ユーチューブ「世界の名作文学を5分で語る」のライブ配信はとても楽しい!

2年半近くYouTubeチャンネル「世界の名作文学を5分で語る」をやっている最近になってFillmoreという編集ソフトを用意したり、それが使えるスペックのPCに買い替えたりと編集も意識するようになったが、開設以来ZOOMで録画した動画をそのままアップしてい…

<詩はなぜ読まれなくなったか?>物語は小説に行き叙情性は歌の歌詞に行った|YouTubeライブ配信へのメモ

~半世紀詩を書いて来た詩人が語る~詩が読まれなくなった3つの理由【文学の女王『詩』は死んだのか?】1.小説の成熟2.歌詞になった日常の中の詩3.現代詩のせいで嫌になった1.トルストイの中の詩 志賀直哉の中の ヘッセやモーリアックなど2,実は恐…

ドメイン移転をしたドメインの有効期限が切れてあわてた話

ドメイン移転をしてみた 去年1月18日にjimdoで作成したサイトを更新しました jimdo有料プランです そして去年の6月頃に jimdoのサイトにお金払うならワードプレスのドメインをひとつ増やそうと思って、jimdoからワードプレスへのドメイン変更を自力でやって…

詩人ランボー|散文詩「地獄の季節」「イリュミナション」の壮大なイメージの絵巻物に酔いしれる

私が一番読んだ詩人はランボーです ただ それは地獄の季節 やイリュミナション などの散文詩があったから。 韻文の翻訳だけではあそこまでの感動はなかっただろうと思いますが あの沸き起こるイメージと それが疾駆するさまを鑑賞するのは 神々の舞踏に酔う…

on-line読書会をついにやります

文学系YouTubeを始めたときは、そのうちライブ配信をやってみたいと思ったものでした 去年2000人をチャンネル登録者が超えたのをきっかけにライブ配信をはじめて10回を超えたくらいになりました そして、ライブ配信をしながらそのやりとりをするうちに…

「色彩をもたない多崎つくると彼の巡礼の旅」を読む人へ|ネタバレ無しと徹底解説と独自解説と3本の話

#色彩をもたない多崎つくると彼の巡礼の年 についての話です 今回は 一度読んだことのある人向けの 多崎つくるの巡礼 の解読動画です 引き続き この作品の動画をあと2本上げる予定です ネタばれなし どんな小説なのか https://youtu.be/vJLSG9WOVpc ネタば…

【あべよしみ朗読の部屋】さんから自作を朗読してもらった話|YouTubeライブ配信からの不思議な流れ

文学YouTubeのライブ配信がつないだ不思議な縁 文学YouTubeではライブ配信をやっています コアなファンだけが見てくれてる感じですが こないだ 自作の小説 『5人目のサンタの約束』 について live中に紹介したところ 結構たくさんの人に読んでいただきました…

SNSでは傷つけることをYouTubeなら穏やかに伝えることができる

YouTubeで時々詩の講評をしています 文学YouTubeの活動です Facebookで文学グループをやっていて そこに時々自作の批評や添削を求める人が書き込みします 文章で作品の批評をやるととても傷つく人がいます 文章で うまくない 感動しない いまいちどころが読…

【現代詩を徹底解説】詩を解体し分解し構成を見極めると見えてくるもの|詩のタイトル<1963>

―×―×―×―×―×―×―《1963》第一幕「オッチャン、死んだもんて死んだもんてどこ行くねん?」『リョウちゃん急に何言い出すねん。お前泣いとるがな。どないかしたんか?』「飼うてた犬のロンな、死んでもうてん」『ほうかア、可哀想になア』「なあオッチャン」『…

TikTokとYouTubeショートの視聴回数のずれが不思議に感じた話

TikTokも始めました YouTubeショートを始めたので ついでにTikTokもと始めました ぼくの一連の動画作業の流れはこうなります まず文学か古代史の動画をフルバージョンで収録 その後編集 FILMOOREでやってます Filmoreは自動的に短い時間指定のハイライト動画…

YouTubeライブ配信はラジオ深夜番組のノリだと確信した

文学YouTubeチャンネルのライブ配信も10回に達した 昨日12月10日の土曜に無事10回目が終わった まだ20~30人の参加だけど楽しいですね 回数を重ねると自分のライブに ある種の雰囲気が生まれたことに気づく 最初はおっかなびっくりで テーマに沿った話をしっ…

YouTubeチャンネルでライブ配信が楽しいという話|私が人生で出会った書物たち

文学のYouTubeチャンネルは10月からライブ配信をはじめた 古代史ではやってない なぜかというと古代史の場合は議論になって喧嘩になりそうだから。 邪馬台国がどこにあったか?これについては宗教の教義のように排他的になってしまうのだ(笑) 文学の場合は…

動画版|J.Dサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』|深読みの再読書評

前半|タイトル『ライ麦畑でつかまえて』に込めたサリンジャーと翻訳者:野崎孝の思いとは? #サリンジャー の #ライ麦畑でつかまえて についてお話します まずは タイトルの「ライ麦畑でつかまえて」についてこの翻訳の意味を考えていきます 1960年代…

【川端康成 雪国】叙情の極致の文体と温泉宿の凛と張り詰めた女の美しさを味わう

#川端康成 の #雪国 は誰もが知る日本近代文学の最高傑作のひとつです。その抒情的文章は日本語の極致とさえ言えるほどでありこれ以上の美は日本語では出せないかもしれないでも なんでこんなに読みにくいのか?川端康成ミステリーを解明します場面展開が…

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル ≪走る≫|動画付き

構成も内容も素晴らしい一部説明文になったところがはっきりと浮いてしまっているまたこの内容だからもしかしたらもう少し迫力ある編集ができたと思います彼女が倒れたあたりとか。その3行程度のためにすこし白けるが全体としては素晴らしい、感動しました…

動画付き|ドストエフスキーの『地下室の手記』を評して

地下室を評して ドストエフスキー『地下室の手記』①|手記を生んだのは帝政ロシアか詩人の魂か? ドストエフスキー『地下室の手記』を徹底的に読んだ|無為に過ごす「罪と罰」のラスコーリニコフ 解説 ニート、引きこもりに見立てて読む。違います、数学的断…

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル 『ハタさん』2022/9/28

《ハタさん》 ハタさんというタイトルはどうか? 作者の内面には当然過ぎる名前だろうけど 私は近所の一人暮らしのお酒好きのおじさん の話と思って読み始めた 自分にとって思い入れのあるものほど 対象化して自分がまず咀嚼しないと作品にならない でない…

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル 《タナトス》|解体し作者の意図も効果も読み解く試み

タナトス(〈ギリシャ〉thanatos)ギリシャ神話で、死を擬人化した神。 眠りの兄弟、また夜の子とされる。 フロイトの用語で、生の本能に対する、無機物の不変性に帰ろうとする死の本能(衝動)のこと。********************《タナトス…

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル 《私にくれ》|構造なくして詩作なし

《私にくれ》飯干良作作 私にくれ言葉をくれ昼日中の街道をゆく弔いの行列だ先頭の者が掲げる大きな写真は黒いリボンで縁取られた遥か昔の少年の私である笑っていた私は、と言えば街道沿いの坂の上の木立ちに隠れて弔いの行列を睨みつけていた金属バットを…

ドストエフスキーは他人とは思えない|自我にまとわりつかれた男の苦闘のつぶやき

ドストエフスキーが彼自身のような、自意識過剰な人物を描写するとき、いつもそれは私にそっくりな心だと思ってきた。 地下室の手記 などあまりにも私すぎて途中から読む必要もないほどだ。 カラマーゾフの兄弟ですら、私がフョードルやアリョーシャに自分を…

詩の文体について|それは音楽であり絵画であり宇宙そのものになりうるもの

詩体というとニュアンスが変わるので敢えて詩の文体と呼ぶ。文は人なり、であり、詩の文体は詩そのものかもしれない。岩間さんが何を書いても根底の絶対の温かみは文体から来る。大村さんが何を書いても大村さんの印鑑が押されているように感じる。坪内さん…

改めて考える詩人の役割|人類の歴史の最初からいたのは神と王と娼婦と詩人

詩人は人々の心に漠然と沸き起こった感情を言葉にして示すものだと思いますなぜ秋風が物寂しく感じるか?それを敢えて言葉にするものです詩人本人までが 漠然と秋風は物寂しいと書いたら共感はないんですね詩人は見事に目の前に人々の物寂しさを表現する役…

バルザック人間喜劇をゴリヨ爺さんを起点に考える

ゴリヨ爺さんから選んだシーンヴィクトリーヌ・タイユフェル嬢ヴォケェ夫人の下宿屋のひとり彼女の父親は娘として認知しない手元におかず年額600フランを送るだけさらに財産を息子ミシェル・タイユフェルに移すべく不動産を動産に変える下宿人のひとりヴ…

宮本輝「にぎやかな天地」で考える文学の文体|伝統発酵食品を豪華本に!

宮本輝再読中 最近はもっぱら再読です 昔読んだ本は、細かい筋は忘れているから面白い。 村上春樹を数冊再読したし YouTubeチャンネル「世界の名作文学を5分で語る」 を開始して2年はバルザックやカミユやジッドなどをいつも再読している で 今は宮本輝 に…