【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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ドストエフスキーは他人とは思えない|自我にまとわりつかれた男の苦闘のつぶやき

 ドストエフスキーが彼自身のような、自意識過剰な人物を描写するとき、いつもそれは私にそっくりな心だと思ってきた。

地下室の手記 などあまりにも私すぎて途中から読む必要もないほどだ。
カラマーゾフの兄弟ですら、私がフョードルやアリョーシャに自分を見ることに変わりはない
つまりドストエフスキーは私と実によく似た人なのでドストエフスキー作品は読まなくてもわかってしまうんだ(笑)
だからこそ私にとっては異質なトルストイに惹かれるのかというとそうでもない。トルストイはもっと私に似ている。
 ああいう自意識過剰ないつも鏡の前にいていつも人の目を意識するような自我にしてはじめて黙示録的な作品や叙事詩的作品を生み出せるのだ。
まあ普通の人はそもそも文学創作をしない。
でもフランス人の洒落気やドイツ人のロマンもなく、ひたすろ自分の傾向を刻み続けるロシア文学は異質にして普遍の中の普遍になるか。
と言ってもトルストイドストエフスキーを除けばフランス文学の人たちみたいな作家だけどね