【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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ルソー『エミール』のエッセンス|「自然人」の概念がもつ深すぎる意味と人間を紐解くその思想的転回

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カントが没頭し トルストイが惑溺した ジャンジャックルソー。 ゲーテにさえ影響を与えた彼の 告白と教育の文学的哲学的思索は人類普遍の至宝です

 

ルソーの言葉で有名なのは

「自然に帰れ」

ですね

なんとなく大自然の中で暮らそう 都会から離れて

という雰囲気を感じるのですが実は違います

 

こういうとわかりやすいです

「社会人と自然人」

 

社会人とは私たちがよく使うニュアンスのままです

社会人1年生 社会人として恥ずかしくないように。

ルソーの時代のフランスでも社会人という概念はあったようで

ルソーはエミール冒頭で

社会人になるための教育ばかりなされることに憤りを感じているようなのです

そして

人間は社会人であるまえに 自然人として確立されなければならない

そのために自然人教育が必要である そしてそのためにあるのがエミールというわけです

 

では自然人とは何か?

社会的にどうふるまうか?

社会人としてどんな職業につくか?

国家や共同体のためにどんな役に立つか?

が社会人であるのに対して自然人はこうです

 

まず人間性として優れているか

たったひとりで無人島に流されても生き抜く知恵と体力がある

神を前にしてはずかしくないか

などなど

東洋風に言えば社会生活の前に論語孟子などで心を磨くという感じです

 

こういう哲学的なある意味実存的なあり方を追求するのが

自然人に帰れであり

その実践紹介本がエミールなのです

 

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