2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
小説 文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ お接待 古荘英雄 *お接待=お釈迦様の誕生日に花祭が行われそれにちなんで甘茶やお菓子などがお接待として振舞われる。この村では子供たちに早朝小遣い銭を渡すのがお接待として続いていた。 花祭りの日…
文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ にらめっこ 二つの針の微妙な配置が時計盤に表情を作り出し申し分のない話相手が出現するそれは晴れ舞台や何かの幕引にいつも一緒だったもちろんただの日常の波間にもその存在が意識を離れたことはない ぼくが…
文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ きもだめし by 古荘 英雄 夏の太陽が、午後の海に向かって有らん限りの光の矢を射っていた。ゴムボートに寝そ べって、ぼくは幼い夢に揺られていた。水平線の上に巨大な雲の固まりが浮かんでいた。 入道雲の、…
自費出版の文化 かつては詩を書きためたら詩集にして、短編を書きためたら短編集にして長編を書いたら一冊の本にして、たとえ出版社が出さなくても自費出版して残す人も多かったものです。 自費出版の場合は、だいたい年賀状と同じ数だけ印刷します。まあ、…
母方の祖父は村で一番貧しい家に生まれて、七十八年後に最も裕福な人間として死んだ。 わたしが小学校に入学して間もない頃、祖父は入院した。直らない病気にかかってしまったので、病院からもう戻っては来ないのだと母から教わり衝撃を受けた。それは、その…
詩 BY 古荘英雄 イタリアへ旅発つジョン・キーツを思い描いて 無垢な少女の口元から血があふれ、有機体とは思えぬほどに透き通る真っ白な口元に、一筋の真紅の流れが生まれる。それは命そのものでありながら人の目に触れたとたん死神そのものに変わる。 こぼ…
「作品」と「作者」と「批評」についての思い出 長いエッセー ぼくは10年ほど 福岡の文学同人誌「文芸誌らむぷ」で小説を書いてました。 らむぷ はセカチューの片山恭一さんや高樹のぶ子さんも所属していましたが、 高樹のぶ子さんはまさにらんぷに発表した…
詩 文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ by辻冬馬 世界のあらゆる場所にささやかに表れる安らぎは 常に破壊されよみがえり 結果としていつもどこかにそれはある 白い花の影 白い花の 影が 揺れる その影の中で 名も知らぬ命が やすらっている 名も…
ヴェルレーヌの秋の歌 【街の向こうの空のかなたに・・・・・・】 空はこの街のビルの向こうに悲しく青く広がっている人々が通りすぎるだけの街路樹を午前の淡い光が包み込んでいく あの空の青に向かって 少年が走っていく あの空の青に向かって 少女が手を…
ヴェルレーヌの秋の歌 また秋が扉を開けた 秋の日に寂しさが木々の梢を震わせる誰かが弾くバイオリンの音色が溜息のように泣き声のようにわたしの心を見つめながら通り過ぎていく 子供たちがやさしさに包まれた それぞれの家に帰る時刻 どこかで鐘が鳴ってい…
詩 by古荘英雄 文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ 創作ノートの文章を散文詩という名目でアップしましたが、開き直って散文詩なんだということにして。 すると散文詩集「創作ノート」が自動的にできるかなあと思いました。カミユの手帖。太陽の…
詩 by 古荘英雄 文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ 小説用の創作ノートの文章で、単独で読めるものを散文詩のつもりでアップしてみました。カミユの太陽の賛歌や反抗の論理の中の文章は素敵だが。これは詩だろうか? この文章をもとに5つの短編…
古井由吉さんが言うには、日本漢詩の最高峰は室町五山文学だそうです。いやあ、聞いたこともなかったが、室町時代の京の五山の寺の坊さんたちが書いた漢詩。 これがとてつもないものなのだそうです。 さて日本近代詩の有名どころは萩原朔太郎、三好達治、島…