【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

宮本輝「にぎやかな天地」で考える文学の文体|伝統発酵食品を豪華本に!

宮本輝再読中 最近はもっぱら再読です 昔読んだ本は、細かい筋は忘れているから面白い。 村上春樹を数冊再読したし YouTubeチャンネル「世界の名作文学を5分で語る」 を開始して2年はバルザックやカミユやジッドなどをいつも再読している で 今は宮本輝 に…

世界の名作文学を5分で語るで紹介|文学ブログで文学を味わいながら深く考える

#世界の名作文学の鍵 として動画をやってるんですがこのブログの全体像を紹介した 超「番外編」の動画をアップしていますこれをご覧いただくと ブログの中身の概要が楽しくわかります

中原中也のような詩を批評すると感動が消える?|感動を言語化したときに読者の中に真の詩が生まれる

詩の批評は可能か?中原中也で考えてみるこれは私が暗唱できる詩のひとつ、要はメチャクチャ好きなわけです中原中也北の海海にいるのは、あれは人魚ではないのです。海にいるのは、あれは、浪なみばかり。曇った北海の空の下、浪はところどころ歯をむいて、…

自作の文芸作品と芸術作品を厳しく批評されると人格否定されたように感じる人が多いけどそれは誤解だ

人は芸術批評に耐えられない詩に限った話ではない芸術作品なら音楽でも絵画でも同じことだ作品を批評すると、その人のものの考え方、感性の在り方があからさまになってしまう。もちろん、その処理の仕方は技術でカバーできるので、力量があればそれなりにう…

詩は創作過程でどんな風に推敲されていくかの実例とその解説

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─詩の推敲の実例付き解説─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━ 詩【月に向かって吠える狼】狼が月に向かって吠えた美しい狼の心さえ 夜の静寂に響いて来るようだ数万年に及ぶ種族の攻防と森との共生の果てにそのすべてを抱きしめるように遠く深く 月に…

Facebook詩のグループの詩の批評|言葉の深さと展開の妙が詩を作るということ!

「イシス」 イシスはイシスで ひょんなところからもイシスで つまりあらゆる意味でイシスだということだから 絶対のイシスだということだけど そのイシスの絶対性がまったく書かれないまま終わっている 全てがオシリスとは違っていて 違っていて なぜ繰り返…

トーマス・マンの『ベニスに死す』|マンの描写で冒険する老作家の心と美と異国情緒

トーマス・マンの一番読みやすい?中編小説 海の風景と海への思い。 それはブデンブローク家で語られてたものと同じ 作家的精神の長い記述はトーニオクレーガーと同じ 晩年ファウストゥス博士の成立で書いた自分の作家生活ともよく似た表現が多い。 つまり …

詩を書くことと走ること|本格的な詩作と下手な詩作の違いを100M競争で艦型

「走る」 ということについて考える。人間は基本誰もが走れます。私は走れることができる、と誰でも言えます。でもマラソンは普通の人は走れないからマラソン走ると凄いと言われる。マラソンは小説みたいなものか?でも100Mなら誰でも走れるから私には私…

初代文学YouTuberムーさんのライブ配信を見た|バルザック編

ムーさんの動画は時々必ず見るしライブ配信は好きだ。彼は雰囲気がある。文学の雰囲気を醸し出すのでそこに参加すると文学につかる感覚がある。コメントも時々していたらいつしか名前を憶えてもらった。光栄なことです。圧倒的な視聴者数を誇る運営者ですか…

文学創作は推敲こそが才能を発揮する場所であり楽しいところだ 2022/8/13

1 たとえば中原中也の詩を読んでみると、ヒラメキだけで書かれていないことは明らかですね。作りこんで推敲して完成させてますよね。あの枠組みで書いて言葉を整えるのはそれはたいへんな作業です そう、詩作も作業なんですよ。英詩の天才キーツも毎日20…

【本格的に村上春樹を語る】海辺のカフカをまるっと文芸評論してみた

海辺のカフカの文体について考えるみずからの構築する世界を支え切れない文体。1973年のピンボールまではこの文体が共振して森の中にメタファーの音楽を奏でたが、いまでは響きのない単調な音が連なるだけ。 こうしてマーロウのシニカルさを追求したセリ…

地の文と随筆と作品

地の文と随筆と作品Facebookの詩文でも小説でも読んでいると、作品意識の希薄さを感じます上手いとか下手とかではなくて自分はこれを作品として書いているという意識です作品意識があるものは 仮に下手であっても好感が持てますでも地の文と作品の文との境…

文体を「お菓子」と「おにぎり」にたとえて考える文学論|おにぎりのような文章こそが文学だ

文体や作品には おにぎり型とお菓子型があります。(私が言ってるだけです(笑))繰り返し何度読んでも、毎日朝昼晩と読んでも飽きないのがおにぎり型作品。 一度読むには素晴らしく楽しいけど、毎日出されたら食傷するのがお菓子型作品。 お菓子型作品を…

村上春樹と宮本輝の小説

小説とは本来こんなもんだろう何気にとって30分くらい読んでたら楽しいなんだったら2時間くらいでも読めてしますそして結構 印象深く考えさせられることもあるトルストイやバルザックの小説はこんな感じカミュはカフカはこうではないしドストエフスキー…

【控えめなニーチェ雑感】ニーチェが語るゲーテの悲劇|人間的なあまりに人間的な

#ニーチェ と言えば #ツァラトゥストラはかく語りぬ ですがツァラトゥストラを語るには本格的な再読が必要。 なのでここでは #人間的なあまりに人間的な の中から ゲーテについて書かれた箇所を取り上げます 美術への才能を断念するゲーテの気持ちは #…

詩の構造を創造するという文学行為

批評1西脇順三郎風のタッチなので読んでいて言葉のリズム感みたいなものはいいですね。そしてまた、一行ごと、一節ごとの表現もなかなかいいです。聞こえた通りに詩にするということは言葉がひとつづつ紡がれていくのだろう思いますし、イイ感じの言葉が並…

詩とインスピレーションと創造

詩はどうやってできあがるのか?直感のまま 言葉が浮かんでくるままにまずは書くという行為が必ずありますこの場合、ところどころに素晴らしい1行か2行があって、自分で読んでもうまい表現だったと感じ、他者が読んでも素晴らしいときもあります4行か5行の…

詩の批評文

「鹿のように」たまには徹底批評してみます星々と語らう前に山々とダンスを踊ろう⇒「ダンスを踊ろう」では「星々と語らう」という言葉を支えられないさめざめと泣く前にきしきしと丸石どもを踏もう丸石どもは雨の下で昨日の揺籠になりきる峠の茶屋はみんな…

ヘミングウェイが代筆した手紙|第一次世界大戦の戦場から怪我をした友人の母にあてた真心のない完璧な手紙

最後の文学論|ヘミングウェイの手紙ヘミングウェイが第一次大戦に従軍中、友達のお母さんに友達の代わりに手紙を書いていたという逸話があります。友達本人が書くと、「ぼくは元気、危険な任務も今のところない、安心して。母さんも元気で」で、終わってい…

詩の書き方講座6|詩は感性ではなく技法で作られる

気持ちをありのままに書いても詩にならない絵画には遠近法がありますね。近くのものは大きく書いて、遠くへ行くほど小さく書く、それによって遠近感を平面の紙の上に出す技法です。技法とわざわざ言わないほど今では当たり前になりました。ほかにも横のライ…

詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きる

詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きるランボーが夕日を見て永遠を感じるのは、ホントにそこに永遠を見るからです。普通の日本人は読みませんがシェリーの名詩「雲」では、雲が地球を眺める壮大なつぶやきが続きますが、シェリーはそのときみ…