名詩の紹介
ドゥイノの悲歌はリルケの代表的な詩集?です 第一の悲歌から第10の悲歌まで10の長詩で構成されています さてこれほど長い詩であるにもかかわらず あちこちでリルケ的な ハっとするような表現が(翻訳されていてもリルケ的とわかる)散りばめられていま…
ヘッセが若き日の読書と若き日の音楽鑑賞へ捧げた3編の詩をご紹介します ①ヘルダーリンへの頌歌 ②画家ノルテンを読んで ③魔笛の入場券を持って www.youtube.com ヘッセの3つの詩 動画では、年を経て ヘッセが若き日に愛読した本や愛して好んだ音楽を 詩に…
ハーディの詩は素晴らしい この動画は 11分14秒から詩の朗読になります 一年の目覚め The Year's Awakening, 275 1910年2月作 どうして君には判るのか、何週も何週も 鬱陶しい 死装束のような暗雲が空を覆っていたのに、 そして春の色はまだ ただ一…
立原道造 4編の詩の朗読動画 youtu.be 4分30秒から朗読が始まります 24歳で夭折した天才詩人立原道造 その詩は何が魅力なのだろうか? 個人的感想と 実際に4つの詩を朗読して味わってみます 高村幸太郎とのコラボ youtu.be 立原道造の詩は、当時の日本…
陶淵明「飲酒」超訳 <酒飲みの夕暮れの歌> 私は黄河を失った晋の末裔だ長江の河口に逃げのびそこに拠点を作った国の役人として日夜励んできたものだだが今や私は人の世の流れから抜け出したそれも街中に居ながらにして抜け出したのだ街中にある庵からは不…
パーシー・ビッシュ・シェリー。 シェリーというイギリスロマン派の詩人を知ってる人は少ない でも実は間接的に、みたいな感じで意外と日本で知られている 漱石の草枕に出て来る「雲雀」という詩 草枕 雲雀→ 雲スズメということで「雲」 草枕の冒頭当たりで …
リルケ入門動画 リルケは詩、それもドゥイノの悲歌の10の歌やオルフォイスのソネットなどを著わしたし、 マルテの手記などの小説もありますが、随想となづけた随筆やエセーも珠玉の作品ばかりです ドゥイノの悲歌 詩人は詩人、作家は作家で考えるものです…
*車輪の下ではなくカロッサの青春変転こそ感想文推奨図書 幼年時代 青春変転 美しき惑いの年 指導と信従 を通しで読むと生まれてから就職するまでの人間を見渡せるこれにルーマニア日記を加えるとそんな人間が従軍する話となるそして詩を加えると カロッサ…
私が一番読んだ詩人はランボーです ただ それは地獄の季節 やイリュミナション などの散文詩があったから。 韻文の翻訳だけではあそこまでの感動はなかっただろうと思いますが あの沸き起こるイメージと それが疾駆するさまを鑑賞するのは 神々の舞踏に酔う…
詩の批評は可能か?中原中也で考えてみるこれは私が暗唱できる詩のひとつ、要はメチャクチャ好きなわけです中原中也北の海海にいるのは、あれは人魚ではないのです。海にいるのは、あれは、浪なみばかり。曇った北海の空の下、浪はところどころ歯をむいて、…
三好達治の詩の紹介です 一緒に味わって行きましょう 37歳の時の「大阿蘇」 と同じ阿蘇を舞台にした39歳の時の「草千里浜」です 三好達治をもって日本語の詩は完成したんじゃないかと個人的には思います 動画で詳しく語っています 動画中の伊勢物語の和…
ゲーテ晩年の西東詩集 #ゲーテの西東詩集 は、 ひとつのコンセプトで貫かれた小説空間のようです ワイマル図書館で借りたアラビア関連の本を返却せずインスピレーションを受け続けたようです 東方空間というよりはみずからの言葉で作った精神的な時空こそが…
清岡卓行#清岡卓行 の詩を紹介します。 素晴らしい詩がたくさんあり、もしも清岡がフランス人なら世界文学に輝くメジャーな詩人になっていたかもしれない #ノーベル文学賞 もあったかもですね 彼は大連生まれの大連育ち。祖国を空間的にも失った体験がベ…
LE CIMETIÈRE MARINΜή, φίλα ψυχά, βίον ἀθάνατον σπεῦδε, τὰν δ’ ἔμπρακτον ἄντλεῖ μαχανάν.Pindare, Pythiques, III. Ce toit tranquille, où marchent des colombes,Entre les pins palpite, entre les tombes ;Midi le juste y compose de feuxLa mer, …
ランボー 『オフィーリア』 ミレーの絵 オフィーリァ 宇佐美斉訳 ⅰ 星の眠る黒い静かな波のうえを色白のオフィーリアが漂う 大輪の百合のように長いヴェールを褥にいともゆるやかに漂う……――遙かな森に聞こえるのは獲物を追い詰める合図の角笛 千年以上にもわ…
それはずっとずっとさきの事だ。 太陽が少しは冷たくなる頃の事だ。 その時さういふ此の世がある為には、 ゼロから数字を生んでやらうと誰かがいふのだ。 さうか、天文学の、それは話か。 仲秋の月ださうだ、空いちめんをあんなに照らす。 おれの眼にはアト…
梅原猛さんの論。宮沢賢治を本当に理解するには大乗仏教がわからなくてはいけない。 というのを読んでなるほどなあ、と思いました ドストエフスキーがキリスト教を書いてもそれを読むヨーロッパ人のようには 宮沢賢治の仏教を理解する日本人はいないというこ…
曠野の歌 わが死せむ美しき日のために 連嶺の夢想よ! 汝なが白雪を 消さずあれ 息ぐるしい稀薄のこれの曠野に ひと知れぬ泉をすぎ 非時(ときじく)の木の実熟うるる 隠れたる場しよを過ぎ われの播種(まく)花のしるし 近づく日わが屍骸(なきがら)を曳…
世界で一番短いホイットマン入門
夕べの泉 (Hermann Hesse gewidmet) 尾崎喜八 君から飲む、 ほのぐらい山の泉よ、 こんこんと湧きこぼれて 滑らかな苔むす岩を洗うものよ。 存分な仕事の一日のあとで、 わたしは身をまげて荒い渇望の唇を君につける、 天心の深さを沈めた君の夕暮の水に、 …
『一点鐘』 靜かだつた靜かな夜だつた時折りにはかに風が吹いたその風は そのまま遠くへ吹きすぎた一二瞬の後 いつそう靜かになつたさうして夜が更けたそんな小さな旋じ風も その後谿間を走らない…… 一時が鳴つた二時が鳴つた一世紀の半ばを生きた 顏の黃ば…
名詩紹介 中原中也 帰郷 柱も庭も乾いている今日は好(よ)い天気だ 椽(えん)の下では蜘蛛(くも)の巣が 心細そうに揺れている山では枯木も息を吐(つ)くああ今日は好い天気だ 路傍(みちばた)の草影が あどけない愁(かなし)みをするこれが私の故里(…
リルケ 秋の日 神品芳夫訳 主よ 時です まことに夏は偉大でした いまこそ 貴方の影を 日時計の上に投げ 野に秋風を吹かしめたまえ 残れる果実に 最後の実りを命じたまえ そしてなお 二日の温暖を恵み かれらを成熟へと走らしめ やがて 最後の 甘き果汁もて …
ぼくが好きな詩を紹介しています 【初めて「カラマゾフ兄弟」を読んだ晩のこと 室生犀星】 私はふと心をすまして その晩も椎の実が屋根の上に 時をおいてはじかれる音をきいた まるでこいしを遠くからうったように 侘しく雨戸をもたたくことがあった 郊外の…
ボードレールの詩をフランス語で読んだことはない。 正確に言うと、フランス語では読めない。 だからボードレールを語ることはちょっとなのだけど、だから正しくはボードレールの詩を元にその意味を日本語に移した文章から感じたことを語るのだけど、それは…
李白 牀前 月光を看る 牀前 月光を看る疑うらくは是 地上の霜かと頭を挙げて 山月を望み頭を低れて 故鄕を思う <夜の静けさの中で月を見て> 夜 人々がもう横になって今日の日に別れを告げて眠りに入ろうとする時刻 月が私のベッドを照らしていることに気づ…
超訳 古い寺の古い池にたたずんで 古池や かわず 飛び込む水の音 前書き 俳句の代表ですね。俳句は翻訳不可能、短歌も翻訳不可能と言いつつ日本人は漢詩を勝手に書き下し文で読み、ドイツの叙情詩でもフランスのシンボリズムでも翻訳で読んでいます。イギリ…
ヴェルレーヌの秋の歌 【街の向こうの空のかなたに・・・・・・】 空はこの街のビルの向こうに悲しく青く広がっている人々が通りすぎるだけの街路樹を午前の淡い光が包み込んでいく あの空の青に向かって 少年が走っていく あの空の青に向かって 少女が手を…
ヴェルレーヌの秋の歌 また秋が扉を開けた 秋の日に寂しさが木々の梢を震わせる誰かが弾くバイオリンの音色が溜息のように泣き声のようにわたしの心を見つめながら通り過ぎていく 子供たちがやさしさに包まれた それぞれの家に帰る時刻 どこかで鐘が鳴ってい…
古井由吉さんが言うには、日本漢詩の最高峰は室町五山文学だそうです。いやあ、聞いたこともなかったが、室町時代の京の五山の寺の坊さんたちが書いた漢詩。 これがとてつもないものなのだそうです。 さて日本近代詩の有名どころは萩原朔太郎、三好達治、島…