【ブログ版】世界の名作文学を甲論乙駁|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を甲論乙駁』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

名詩の紹介

【リルケを超訳】AIの翻訳から自分好みの『ドゥイノの悲歌』第一の悲歌を創った

【ドゥイノの悲歌 第一の悲歌】 古荘によるAI訳の翻案訳『ドゥイノの悲歌』第一の悲歌 どんなに ぼくが 力の限り叫んでも はるか高みの 天使たちには届かない もし 何かの拍子に 天使の1人が ぼくに気づいて ぼくを抱きしめてくれたとしても ぼくは その腕の…

詩人・谷川俊太郎を悼んで:言葉の深淵と「クラシクス」の記憶

先日、日本が誇る巨星、詩人の谷川俊太郎さんが逝去されました。私のYouTubeチャンネル『甲論乙駁』でも、彼の残した足跡を振り返る動画を作成しましたが、本日はその内容を改めて私のブログ読者の皆様へお伝えしたいと思います。 言葉の「艦隊」としての谷…

【漢詩超訳がすごい】陶淵明「飲酒」| 超訳すると素晴らしいモダンな近代詩になる 

漢詩は古代シナ文学の至宝です。それを 日本語読みする漢文という日本語は見事な文化的方法です。 しかし21世紀のこんにち、漢文の日本語で漢詩を読むと古臭さを感じます。それは当然のことで平安時代あたりの日本語で読む技術だからですね。 そこで口語訳…

トマス・ハーデイの詩を味わう|『ダーヴァヴィル家のテス』『帰郷』の作家ハーディは詩人でした

ハーディの詩は素晴らしい この動画は 11分14秒から詩の朗読になります 一年の目覚め The Year's Awakening, 275 1910年2月作 どうして君には判るのか、何週も何週も 鬱陶しい 死装束のような暗雲が空を覆っていたのに、 そして春の色はまだ ただ一…

TSエリオットの<CATSキャッツ>覚書|世紀の名曲メモリーズができるまで

TSエリオットは20世紀の偉大な詩人です 私は彼の詩を何度も繰り返し読んで来ました たとえば #詩集荒地 の巻頭 #死者の埋葬 これは「4月は残酷極まる月だ」で始まるよく知られた作品です。 また #プルーフロックの恋歌 も好きだし 何より #ある婦人の…

【世界近代詩10人集】半世紀読み続けた世界の名詩は本当に凄かった!:翻訳詩が紡ぐイメージの共鳴

私の手元に、一冊の古びた本があります。 河出書房の「世界文学全集」の一巻として編集された『世界近代詩10人集』です。表紙も背表紙も取れ、テープで補強しながら大切に持っているこの本は、私が中学2年生の時に買ったものです。以来、約50年。半世紀とい…

【私が愛した詩集たち】最高の文学体験は詩の読書:トルストイもドストエフスキーも超える深淵なる世界

イントロダクション 私はトルストイの『アンナ・カレーニナ』やドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』トーマス・マンの『魔の山』といった、世界文学の巨大な山脈ともいえる長編小説について語ることが好きです。しかし、自分自身の読書体験を根底から支…

幻のリルケ作品『体験』:翻訳されない名詩が広げる「世界内面空間」

リルケの隠れた名作、散文詩『体験』についての解説をまとめました。私自身のリルケへの深い敬意と、この作品が持つ特異な美しさについてブログ形式でご紹介します。 ★なおこの作品は普通の詩集には載っていません。全集には随筆として収納されることが多い…

リルケの「ドゥイノの悲歌」の全体像が頭に入らないという話

ドゥイノの悲歌はリルケの代表的な詩集?です 第一の悲歌から第10の悲歌まで10の長詩で構成されています さてこれほど長い詩であるにもかかわらず あちこちでリルケ的な ハっとするような表現が(翻訳されていてもリルケ的とわかる)散りばめられていま…

ヘッセが愛したヘルダーリンの詩とメーリケの小説『画家ノルテン』とモーツァルトのフィガロの結婚

動画紹介 ヘッセが若き日の読書と若き日の音楽鑑賞へ捧げた3編の詩をご紹介します ①ヘルダーリンへの頌歌 ②画家ノルテンを読んで ③魔笛の入場券を持って www.youtube.com 今回選んだヘッセの3つの詩について 動画では、年を経て ヘッセが若き日に愛読した…

立原道造の詩を味わいその早熟の天才を鑑賞する

立原道造 4編の詩の朗読動画 youtu.be 4分30秒から朗読が始まります 24歳で夭折した天才詩人立原道造 その詩は何が魅力なのだろうか? 個人的感想と 実際に4つの詩を朗読して味わってみます 高村幸太郎とのコラボ youtu.be 立原道造の詩は、当時の日本…

【イギリスロマン派の詩人】詩人シェリーを知っていますか?奥さんは『フランケンシュタイン』の作者です

パーシー・ビッシュ・シェリー。 シェリーというイギリスロマン派の詩人を知ってる人は少ない でも実は間接的に、みたいな感じで意外と日本で知られている 漱石の草枕に出て来る「雲雀」という詩 草枕 雲雀→ 雲スズメということで「雲」 草枕の冒頭当たりで …

ドゥイノの悲歌と時祷詩集と美しい叙情詩|詩人リルケはゲーテを凌ぐ天才だった

リルケ入門動画 リルケは詩、それもドゥイノの悲歌の10の歌やオルフォイスのソネットなどを著わしたし、 マルテの手記などの小説もありますが、随想となづけた随筆やエセーも珠玉の作品ばかりです ドゥイノの悲歌 詩人は詩人、作家は作家で考えるものです…

【ドイツの詩人】ヘッセと並ぶ詩の巨人ハンス・カロッサ|その魂の修行時代を文学ライブで徹底して語る

*車輪の下ではなくカロッサの青春変転こそ感想文推奨図書 幼年時代 青春変転 美しき惑いの年 指導と信従 を通しで読むと生まれてから就職するまでの人間を見渡せるこれにルーマニア日記を加えるとそんな人間が従軍する話となるそして詩を加えると カロッサ…

詩人ランボー|散文詩「地獄の季節」「イリュミナション」の壮大なイメージの絵巻物に酔いしれる

私が一番読んだ詩人はランボーです ただ それは地獄の季節 やイリュミナション などの散文詩があったから。 韻文の翻訳だけではあそこまでの感動はなかっただろうと思いますが あの沸き起こるイメージと それが疾駆するさまを鑑賞するのは 神々の舞踏に酔う…

中原中也のような詩を批評すると感動が消える?|感動を言語化したときに読者の中に真の詩が生まれる

詩の批評は可能か?中原中也で考えてみるこれは私が暗唱できる詩のひとつ、要はメチャクチャ好きなわけです中原中也北の海海にいるのは、あれは人魚ではないのです。海にいるのは、あれは、浪なみばかり。曇った北海の空の下、浪はところどころ歯をむいて、…

三好達治の詩の紹介|大阿蘇&草千里浜を併せて読むと詩の空間が広がる

三好達治の詩の紹介です 一緒に味わって行きましょう 37歳の時の「大阿蘇」 と同じ阿蘇を舞台にした39歳の時の「草千里浜」です 三好達治をもって日本語の詩は完成したんじゃないかと個人的には思います 動画で詳しく語っています 動画中の伊勢物語の和…

ゲーテが言葉で作った素朴でしなやかな時空|『ディーヴァン:西東詩集』を味わう

ゲーテ晩年の西東詩集 #ゲーテの西東詩集 は、 ひとつのコンセプトで貫かれた小説空間のようです ワイマル図書館で借りたアラビア関連の本を返却せずインスピレーションを受け続けたようです 東方空間というよりはみずからの言葉で作った精神的な時空こそが…

清岡卓行の詩を読むと亡命してないのに祖国へのはるかな悲しみを感じる

清岡卓行#清岡卓行 の詩を紹介します。 素晴らしい詩がたくさんあり、もしも清岡がフランス人なら世界文学に輝くメジャーな詩人になっていたかもしれない #ノーベル文学賞 もあったかもですね 彼は大連生まれの大連育ち。祖国を空間的にも失った体験がベ…

ヴァレリーの詩「海の墓地」|ヨーロッパの根源地中海精神を静かに歌い続ける彼岸への詩

LE CIMETIÈRE MARINΜή, φίλα ψυχά, βίον ἀθάνατον σπεῦδε, τὰν δ’ ἔμπρακτον ἄντλεῖ μαχανάν.Pindare, Pythiques, III. Ce toit tranquille, où marchent des colombes,Entre les pins palpite, entre les tombes ;Midi le juste y compose de feuxLa mer, …

ランボー 『オフィーリア』|ミレーの絵を天才ランボーが言葉に翻訳した名詩

ランボー 『オフィーリア』 ミレーの絵 オフィーリァ 宇佐美斉訳 ⅰ 星の眠る黒い静かな波のうえを色白のオフィーリアが漂う 大輪の百合のように長いヴェールを褥にいともゆるやかに漂う……――遙かな森に聞こえるのは獲物を追い詰める合図の角笛 千年以上にもわ…

詩<天文学の話>高村光太郎|「あこがれ共同体」というドラマの冒頭で郷ひろみが朗読していた

それはずっとずっとさきの事だ。 太陽が少しは冷たくなる頃の事だ。 その時さういふ此の世がある為には、 ゼロから数字を生んでやらうと誰かがいふのだ。 さうか、天文学の、それは話か。 仲秋の月ださうだ、空いちめんをあんなに照らす。 おれの眼にはアト…

本当の宮沢賢治の話しをしょう|文学と大乗仏教の幸福な融合

梅原猛さんの論。宮沢賢治を本当に理解するには大乗仏教がわからなくてはいけない。 というのを読んでなるほどなあ、と思いました ドストエフスキーがキリスト教を書いてもそれを読むヨーロッパ人のようには 宮沢賢治の仏教を理解する日本人はいないというこ…

伊東静雄 「 曠野の歌」|死と生の根源的風景をうたい上げた世紀の名詩

曠野の歌 わが死せむ美しき日のために 連嶺の夢想よ! 汝なが白雪を 消さずあれ 息ぐるしい稀薄のこれの曠野に ひと知れぬ泉をすぎ 非時(ときじく)の木の実熟うるる 隠れたる場しよを過ぎ われの播種(まく)花のしるし 近づく日わが屍骸(なきがら)を曳…

アメリカの詩人ホイットマンの詩集「草の葉」は偉大だがとても読めない、長すぎる

世界で一番短いホイットマン入門

名詩の紹介:尾崎喜八「夕べの泉」

夕べの泉 (Hermann Hesse gewidmet) 尾崎喜八 君から飲む、 ほのぐらい山の泉よ、 こんこんと湧きこぼれて 滑らかな苔むす岩を洗うものよ。 存分な仕事の一日のあとで、 わたしは身をまげて荒い渇望の唇を君につける、 天心の深さを沈めた君の夕暮の水に、 …

名詩の紹介:『一点鐘』三好達治 昔高校の教科書に必ず載っていた昔を懐かしむ詩

『一点鐘』 靜かだつた靜かな夜だつた時折りにはかに風が吹いたその風は そのまま遠くへ吹きすぎた一二瞬の後 いつそう靜かになつたさうして夜が更けたそんな小さな旋じ風も その後谿間を走らない…… 一時が鳴つた二時が鳴つた一世紀の半ばを生きた 顏の黃ば…

中原中也「帰郷」|おまえはなにをしてきたのだと故郷の風が語りかけてくる時

名詩紹介 中原中也 帰郷 柱も庭も乾いている今日は好(よ)い天気だ 椽(えん)の下では蜘蛛(くも)の巣が 心細そうに揺れている山では枯木も息を吐(つ)くああ今日は好い天気だ 路傍(みちばた)の草影が あどけない愁(かなし)みをするこれが私の故里(…

リルケ「秋の日」|形象詩集最高傑作の孤独がしみわたる詩

イントロダクション リルケで一番好まれている詩は「秋の日」だと思います。戦後西ドイツで大学生を対象に近代詩で一番好きなドイツ詩人のアンケートして3位か2位になりました(ちなみに1位はカロッサの古い泉) これは形象詩集という初期の頃の作品です…

名詩紹介 室生犀星初めて「カラマゾフ兄弟」を読んだ晩のこと

ぼくが好きな詩を紹介しています 【初めて「カラマゾフ兄弟」を読んだ晩のこと 室生犀星】 私はふと心をすまして その晩も椎の実が屋根の上に 時をおいてはじかれる音をきいた まるでこいしを遠くからうったように 侘しく雨戸をもたたくことがあった 郊外の…