文芸批評・創作方法論
あなたは 文学的故郷を持っていますか? ヘルマン・ヘッセ著「世界文学をどう読むか」 ヘルマン・ヘッセ著「世界文学をどう読むか」という100ページにも満たない小冊子がある。冒頭からいきなり素晴らしい一文で始まるのだが作家を目指す人にはぜひおすす…
音楽でも文学でも classicの翻訳が古典である クラシック音楽はクラシックミュージック クラシック文学は古典文学となる なので19世紀のフローベルやバルザックやトルストイを古典文学というと 近代文学だ、古典と言えるのはシェイクスピアとか源氏物語と…
リルケを読んでいると その作品世界の向こうにいつもこんなことを感じます マルテもドゥイノも黄昏のオーストリアハンガリー帝国の 雰囲気の影響を受けているように思えるということです 実はカフカの城や審判にも同様の印象があり もしもカフカの小説舞台が…
www.youtube.com 小説の中を抜粋して朗読します 1~3分ほど 三島由紀夫 志賀直哉 森鴎外 夏目漱石 堀辰雄 を読み比べ いや 文体の味わい比べをやってみます www.youtube.com 引用朗読は以下の時間配分になっています トルストイ 戦争と平和 3分~9:02 ヘ…
youtu.be 小説を10年、詩を40年書いてきました 高樹のぶ子さんが芥川賞を受賞した 光抱く友よ を掲載した文芸誌らんぷに 世界の中心で愛を叫ぶ の片山恭一さんも所属して文芸誌らんぷに まさに加入して10年間せっせと書いていました。 で ぼくは小説現…
文学YouTubeチャンネルに最近アップした動画のご案内です 文体についてあれこれ自分流に考えていきました 文学の楽しさの根底には文体がある 文体がつまらない小説などはどれほど面白くてもつまらない それは翻訳を考えるとわかりやすいです 名作でも翻訳が…
読書とは再読のことだった! そもそも文学作品とは再読前提で作られていたと思います 古くはホメロスの歌がありますが あれは文章で作られることなく 歌として 歌われる言葉として紡がれたものを後の世の人が文章にしたものです ホメロスオデュッセイアを通…
~半世紀詩を書いて来た詩人が語る~詩が読まれなくなった3つの理由【文学の女王『詩』は死んだのか?】1.小説の成熟2.歌詞になった日常の中の詩3.現代詩のせいで嫌になった1.トルストイの中の詩 志賀直哉の中の ヘッセやモーリアックなど2,実は恐…
―×―×―×―×―×―×―《1963》第一幕「オッチャン、死んだもんて死んだもんてどこ行くねん?」『リョウちゃん急に何言い出すねん。お前泣いとるがな。どないかしたんか?』「飼うてた犬のロンな、死んでもうてん」『ほうかア、可哀想になア』「なあオッチャン」『…
構成も内容も素晴らしい一部説明文になったところがはっきりと浮いてしまっているまたこの内容だからもしかしたらもう少し迫力ある編集ができたと思います彼女が倒れたあたりとか。その3行程度のためにすこし白けるが全体としては素晴らしい、感動しました…
《ハタさん》 ハタさんというタイトルはどうか? 作者の内面には当然過ぎる名前だろうけど 私は近所の一人暮らしのお酒好きのおじさん の話と思って読み始めた 自分にとって思い入れのあるものほど 対象化して自分がまず咀嚼しないと作品にならない でない…
タナトス(〈ギリシャ〉thanatos)ギリシャ神話で、死を擬人化した神。 眠りの兄弟、また夜の子とされる。 フロイトの用語で、生の本能に対する、無機物の不変性に帰ろうとする死の本能(衝動)のこと。********************《タナトス…
《私にくれ》飯干良作作 私にくれ言葉をくれ昼日中の街道をゆく弔いの行列だ先頭の者が掲げる大きな写真は黒いリボンで縁取られた遥か昔の少年の私である笑っていた私は、と言えば街道沿いの坂の上の木立ちに隠れて弔いの行列を睨みつけていた金属バットを…
詩体というとニュアンスが変わるので敢えて詩の文体と呼ぶ。文は人なり、であり、詩の文体は詩そのものかもしれない。岩間さんが何を書いても根底の絶対の温かみは文体から来る。大村さんが何を書いても大村さんの印鑑が押されているように感じる。坪内さん…
詩人は人々の心に漠然と沸き起こった感情を言葉にして示すものだと思いますなぜ秋風が物寂しく感じるか?それを敢えて言葉にするものです詩人本人までが 漠然と秋風は物寂しいと書いたら共感はないんですね詩人は見事に目の前に人々の物寂しさを表現する役…
人は芸術批評に耐えられない詩に限った話ではない芸術作品なら音楽でも絵画でも同じことだ作品を批評すると、その人のものの考え方、感性の在り方があからさまになってしまう。もちろん、その処理の仕方は技術でカバーできるので、力量があればそれなりにう…
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─詩の推敲の実例付き解説─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━ 詩【月に向かって吠える狼】狼が月に向かって吠えた美しい狼の心さえ 夜の静寂に響いて来るようだ数万年に及ぶ種族の攻防と森との共生の果てにそのすべてを抱きしめるように遠く深く 月に…
「イシス」 イシスはイシスで ひょんなところからもイシスで つまりあらゆる意味でイシスだということだから 絶対のイシスだということだけど そのイシスの絶対性がまったく書かれないまま終わっている 全てがオシリスとは違っていて 違っていて なぜ繰り返…
「走る」 ということについて考える。人間は基本誰もが走れます。私は走れることができる、と誰でも言えます。でもマラソンは普通の人は走れないからマラソン走ると凄いと言われる。マラソンは小説みたいなものか?でも100Mなら誰でも走れるから私には私…
1 たとえば中原中也の詩を読んでみると、ヒラメキだけで書かれていないことは明らかですね。作りこんで推敲して完成させてますよね。あの枠組みで書いて言葉を整えるのはそれはたいへんな作業です そう、詩作も作業なんですよ。英詩の天才キーツも毎日20…
地の文と随筆と作品Facebookの詩文でも小説でも読んでいると、作品意識の希薄さを感じます上手いとか下手とかではなくて自分はこれを作品として書いているという意識です作品意識があるものは 仮に下手であっても好感が持てますでも地の文と作品の文との境…
文体や作品には おにぎり型とお菓子型があります。(私が言ってるだけです(笑))繰り返し何度読んでも、毎日朝昼晩と読んでも飽きないのがおにぎり型作品。 一度読むには素晴らしく楽しいけど、毎日出されたら食傷するのがお菓子型作品。 お菓子型作品を…
批評1西脇順三郎風のタッチなので読んでいて言葉のリズム感みたいなものはいいですね。そしてまた、一行ごと、一節ごとの表現もなかなかいいです。聞こえた通りに詩にするということは言葉がひとつづつ紡がれていくのだろう思いますし、イイ感じの言葉が並…
詩はどうやってできあがるのか?直感のまま 言葉が浮かんでくるままにまずは書くという行為が必ずありますこの場合、ところどころに素晴らしい1行か2行があって、自分で読んでもうまい表現だったと感じ、他者が読んでも素晴らしいときもあります4行か5行の…
「鹿のように」たまには徹底批評してみます星々と語らう前に山々とダンスを踊ろう⇒「ダンスを踊ろう」では「星々と語らう」という言葉を支えられないさめざめと泣く前にきしきしと丸石どもを踏もう丸石どもは雨の下で昨日の揺籠になりきる峠の茶屋はみんな…
気持ちをありのままに書いても詩にならない絵画には遠近法がありますね。近くのものは大きく書いて、遠くへ行くほど小さく書く、それによって遠近感を平面の紙の上に出す技法です。技法とわざわざ言わないほど今では当たり前になりました。ほかにも横のライ…
詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きるランボーが夕日を見て永遠を感じるのは、ホントにそこに永遠を見るからです。普通の日本人は読みませんがシェリーの名詩「雲」では、雲が地球を眺める壮大なつぶやきが続きますが、シェリーはそのときみ…
政治を詩にするとき何を対象に書くのでしょうか?詩は作者の感情ではなくその原因となる事物や出来事を鋭く語るものです立原道造が秋風について鋭く歌うとき その先にある恋が浮き立ちますホイットマンが世界について歌うとき その先にある進歩と平和が浮き…
【朝日新聞掲載の川柳】7/15 帰らぬ命 幸せ無限大*****************で今 この川柳を巡ってパッシングが起こっていますねこれは安倍さんが死んで幸せ無限大と言ってるわけです驚くべきことにFacebookの【原始林】という文芸グループでは、…
ピアノを練習せずに弾いても「ピアノを弾いてる」となり、適当に絵を描いても「絵を描く」となりますね。改行して文章を書くと{詩もどき}にはなります。でも明らかにちゃんとピアノを弾いたりちゃんと絵を描いたりした作品はすばらしい。練習も考えもしな…