【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きる

 詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きる


ランボーが夕日を見て永遠を感じるのは、ホントにそこに永遠を見るからです。
普通の日本人は読みませんがシェリーの名詩「雲」では、雲が地球を眺める壮大なつぶやきが続きますが、シェリーはそのときみずから雲だったのです
詩的創造力は日常の枠組みを超えて違う次元で同じ風景を見るのです
日常は解体されファンタジーの世界に再構成されるのです。霊的世界と言ってもいいかもしれません。
芭蕉が 古池や蛙飛び込む水の音 というとき
水音の響きに来し方行く末のすべてと人の世の栄枯盛衰を一瞬のうちに見るのです。
たとえば早朝の電車でうるさくはしゃぐ子供たちに閉口して、そばにいる父親に静かにさせるように注意した男性がいたとします。
父親はこう答えたのです
「今朝 あの子たちの母親が亡くなってしまて、子供たちは受け止められず騒いでるんです すみません」
注意をした男性は「何かできることがあったら言ってください」と静かに言いました
他の人がうるさいと思っているとき、日常を解体する詩人の目には最初から真実が見えている、だから母の死と幼い悲しみとそれを抱える父の運命と、行きずりの人のやさしさを歌うのです

日常と心と魂の世界は違います
静かに耳を澄ませば聞こえてくる声を聴いて言葉にする
それが詩人なのです