【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

大人のための詩の書き方講座|いきなり深い詩を楽しく創る方法

 

 

日本語の詩について

 江戸期まで。

戦後すぐくらいまでであっても

日本には3つの定型詩があった。

それは俳句と短歌と漢詩である

 

◎古池や 蛙飛び込む水の音

◎泥棒をとらえてみれば我が子かな

◎痩せガエル負けるな一茶ここにあり

◎蝶々が韃靼海峡を渡っていった

◎咳をしても一人

◎分け入っても分け入っても青い山

 

◎あらざらむこの世のほかの思い出に 今ひとたびの会うこともがな

◎春風の花をちらすとみる夢は 覚めても胸のさわぐなりけり

◎まゆのごと白く光れる雲ふえて そこはとなきやさしさ誘う

◎愛人でいいのとうたう歌手がいて言ってくれるじゃないのと思う
         俵万智『サラダ記念日』(1987年)

漢詩

 下の画像は漱石の最後の漢詩、死の直前の作品です

 

◎ 春を迎える悲しみの歌(春望)超訳 杜甫Toho|世紀の名漢詩を現代日本の詩に再構成した - 【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

◎ 李白の漢詩をヘッセの雰囲気に超訳する試み - 【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

 

心情のための詩 思考のための詩

心情は俳句と短歌

思想や感想の叙事的言語化漢詩だった

この3本柱から漢詩がなくなり

非定型の新体詩=近代詩=現代詩となり作るの難しくなった

定型のしばりはインスピレーションを消すというあやまった考え

定型こそ芸術のいれもの インスピレーションの根源です

絵画 音楽には形がある 文学もある

20世紀にユリシーズ散文詩が一見解体したように見えるものがあるが

みずから定型を作っている

知人に30文字を30行で書く人がいた

 

定型の具体例 詩はどうやって作るか?

 

【テーマ】天気が良くて犬と川べりを散歩していると春一番が吹いてきた

 

俳句:春一番 川辺を犬と散歩かな

 

短歌:晴れ渡る空を眺めて愛犬と川辺であびる春一番

 

4行詩:

見上げれば真っ青な空

愛犬と歩く川辺の道

春一番を浴びながら

 

水鳥たちが今はばたく

 

14行 ソネット

 

見上げれば 目に透き通るような空の青

愛犬のヨーゼフが ぼくに目くばせをした

ぼくはかすかにうなずいて

さあ 昼下がりの散歩に出よう

 

川辺の道には人影もまばら

野良猫たちが昼寝をしている

ヨーゼフは猫たちに

かすかに目くばせをする

 

川には水鳥たちのうたたねの姿

飛び立つ気もなく

猫と水鳥の昼寝大会

 

突然の春一番に驚いて

ヨーゼフは吠え

 

猫は起き上がり 水鳥は飛び立った

 

まとめ 

詩を定型なしで 自由にのびのび書こうとすると

よほどの熟達者でないとたいていは失敗します

定型とは 器であり

その器に言葉を入れれば一定レベルの詩が出来上がるのですが

定型なしで描くというのは

その器まで自分で作らないといけない

そうなると天才的な才能が必要になって来るのです

 

詩・ポエムランキング
詩・ポエムランキング