【ドゥイノの悲歌 第一の悲歌】
古荘によるAI訳の翻案訳『ドゥイノの悲歌』第一の悲歌
どんなに ぼくが 力の限り叫んでも
はるか高みの 天使たちには届かない
もし 何かの拍子に
天使の1人が ぼくに気づいて
ぼくを抱きしめてくれたとしても
ぼくは その腕の中で
焼き尽くされてしまうだろう
なぜなら 美は 怖るべきものの
始めに ほかならないのだから
ぼくらが美に 嘆賞の声を上げるのは
たとえ美が ぼくらを 滅ぼしたとしても
そのことを美が
何とも思わぬからなのだ
だからこそ その落差故に
ぼくらはあまりに深く 孤独なのだ
(天使がぼくらを突き放しているとしか感じられないから
無視しているとしか思えないから)
だからこそ 天使という存在は恐ろしい
ぼくらは
自らの中の
ほとばしり出ようとする
すべてのものを 飲み込みつつ
なお 暗闇にむせび泣いてしまう
ぼくらは 誰を頼れるのだろうか?
天使ではない 人間ではない
まして動物であるはずがない
ぼくらが 世界を説き明かそうとしながら
そこに それほどには
根を下ろしていないことを
彼ら動物は 見抜いている
そして軽蔑を込めて
顔をそむけている
故に ぼくらに残されたものは ───
毎日 なにげなく見ているような
丘の上の一本の樹
毎日歩く あの道
犬のようにまとわりついて離れない
何かの癖
こうした ものだけが
ぼくらにつきしたがってくる
そして ───
「夜」というものがある
世界空間の香りを漂わせて
風がぼくらを灰にしていく夜 ──
そんな夜
人々を 切なく待ち望ませる ──
そんな夜
そして ゆっくりと人々に幻滅をもたらし
人の心の中に立ちふさがる
あの夜が
「あの夜」こそは 誰もが忘れられないものとなる
だが恋人たちは
それを 軽く飛びこえていく
互いの運命を隠しながら
あなたはまだ 気づかないのだろうか
あなたが抱きしめた そのむなしさを
息づく空間に投げ返せ
そして投げ返されたむなしさの分だけ
広がったこの大気の中を鳥たちは
心をこめて 羽ばたくだろう
霧は あなたを誘った
星々は あなたを求めた
過去の思い出が あなたに抱きついた
奏でられた弦の音が あなたに身をゆだねた
それは皆 あなたへの 委託に他ならなかった
なのに あなたは 未だ その委託を
仕遂げていない
あなたは むしろ期待に気を紛らわされて
すべてを彷徨(さまよ)わした
それは見るもの 聞くものすべてが
新しい恋人の到来を伝えている様子に
気を紛らわしたり
あなたが 憧れというものに堪えられるなら
あふれる 愛に生きた女たちのことを
歌ってほしい
彼女たちの愛は
人の心を打ちさびる
まだ 忘れられようとしている
捨てられてなお 愛を反いた女たち
彼女たちの愛は 毀れぬもの
満たされたものばかり
はるかに「愛する者」へと昇華したのだ
讃えても讃えきれない 彼女たちへの
歌を 誇らかに歌おう
ここまでです
【AIによるドイツ語原典からの生真面目な直訳(ベース素材)】
※他者の翻訳権を一切侵害しない、完全パブリックドメイン由来の「骨組み」です。手塚訳に縛られない新しい表現のヒントとしてお使いください。
私が叫んだとしても、
天使の階級のなかから、一体誰が私を聴いてくれるだろうか?
そして仮に、そのうちの一人が突然私を胸に抱きしめたとしても:
私は彼のより強い実在(Dasein)によって消滅してしまうだろう。
なぜなら、美とは、
私たちがかろうじて耐えうる恐怖の始まりにすぎないのだから。
そして私たちがこれほどまでに美を賛美するのは、
美が私たちを破滅させることを平然と拒絶している(見下している)からだ。
どの天使もみな恐ろしい。
だから私は自分をこらえ、暗いむせび泣きの誘いの声を飲み込む。
ああ、私たちは一体誰を必要とすることができようか?
天使でもなく、人間でもない。
そして目ざとい(機転の利く)動物たちはすでに気づいている、
私たちが、この解釈された世界(意味づけされた世界)のなかに、
あまり確からしく(馴染んで)暮らしていないということに。
私たちには、おそらく、
斜面にあるどこかの一本の樹が残されているだけであり、
それを私たちは毎日見直すことになる。
私たちには昨日の道が残され、
そして、私たちのところを気に入って、
そのまま留まり去ろうとしなかった、
ある習慣の、馴染みきった忠実さが残されている。
おお、そして夜よ、夜よ、
宇宙に満ちた風が私たちの顔を削る(なめつくす)とき
─── 誰にその夜が残らないだろうか。
切望され、優しく幻滅させ、個々の心にとって
辛うじて(避けるすべなく)立ちふさがる、あの夜が。
夜は恋人たちにとって、より軽やかだろうか?
ああ、彼らはただ互いに、
自分たちの運命(ロト)を覆い隠し合っているにすぎない。
あなたはまだそれを知らないのか?
あなたの腕からその虚空を、
私たちが呼吸する空間へと投げ出すのだ。
もしかしたら鳥たちが、その拡張された大気を、
より深い(心からの)飛翔をもって感じるかもしれない。
そう、春はあなたを必要としていたのだ。
いくつかの星は、あなたがそれらを感じることを、
あなたに期待していた。
過去のなかに一筋の波がせり上がってきた、
あるいは、 あなたが、開かれた窓のそばを通り過ぎたとき、
一挺のヴァイオリンが身をゆだねて(音を奏でて)いた。
それらはすべて「委託(使命)」であった。
しかし、あなたはそれを成し遂げたか?
あなたはいつも、まだ期待によって心が散り散りになっていなかったか、
まるで、すべてがあなたに一人の恋人の到来を告げているかのように?
(あなたはどこに彼女をかくまうつもりなのか、大いなる見知らぬ思想たちが、あなたのところで絶えず出入りし、しばしば夜通し留まるというのに。)
しかし、もし憧れるのなら、恋人たちを歌うのだ。
彼らの名高い感情は、まだ十分に不滅のものとはなっていない。
あなたがほとんど嫉妬するほどの、あの見捨てられた女たち、
あなたは彼女たちを、
満たされた女たちよりもずっと愛に満ちていると見出したのだ。
決して届くことのない賛美を、何度も新しく始めるのだ。
ここまでです
想うがいい:英雄は自己を維持する、没落(破滅)でさえ彼にとっては、存在する( sein )ための口実にすぎなかった。それが彼の最後の誕生なのだ。 しかし恋人たちを、疲れ果てた自然は、再び己のなかへと引き戻す、まるで、これを成し遂げるための力が二度とは存在しないかのように。 あなたはガースパラ・スタンパのことを、十分に深く想っただろうか? 恋人を失ったどこかの少女が、この恋人の高められた手本によって、「私も彼女のようになれたなら」と感じるほどに。
これら最古の苦痛が、ついに私たちにとっても、より実り豊かなものとなるべきではないのだろうか? 私たちが愛しながら、恋人から自己を解放し、震えながらそれに耐える(克服する)べき時が来たのではないだろうか: 矢が弦に耐え、飛び出す瞬間に凝縮されて(あつめられて)、それ自身以上のものになるように。なぜなら、留まる場所(居場所)はどこにもないのだから。
声よ、声よ。聴くのだ、わが心よ、かつて聖者たちだけが聴いたように:巨大な呼び声が彼らを地面から立ち上がらせた。 しかし彼らは、あり得ない(不可能な)人々よ、そのままひざまずき続け、それ(呼び声)に頓着しなかった: 彼らはそのようにして聴いていた(ひたすら耳となっていた)のだ。あなたが神の声を耐えられるなどということではない、到底及ばない。 しかし、そのかすかな息吹(風のそよぎ)を聴くのだ、沈黙から紡ぎ出される、途切れることのない知らせを。 今、あの若くして死んだ者たちから、あなたへと、かすかなざわめきが届いている。 あなたがどこへ入っていこうとも、ローマやナポリの教会において、彼らの静かな運命があなたに語りかけてこなかっただろうか? あるいは、碑文が厳かに(気高く)あなたに課せられなかっただろうか、先日のサンタ・マリア・フォルモーサのあの銘板のように。 彼らは私に何を求めているのか? 私は、彼らの霊の純粋な動きを時に少しだけ妨げている、不義(不条理)の見かけを、そっと取り除かねばならないのだ。
確かに、もはや地球に住まないということは奇妙なことだ、 ようやく覚えた習慣をもはや行わないということは。 薔薇や、その他の特別に約束に満ちたものたちに、人間の未来という意味を与えないということは。 無限に不安な(いたわる)手のなかにあった自分自身という存在が、もはやないということは。 And 自分自身の名前さえも、壊れたおもちゃのように置き去りにしてしまうということは。 奇妙なことだ、願いをそれ以上願い続けないということは。奇妙なことだ、 互いに関係し合っていたすべてのものが、空間のなかにこれほど緩やかに、ひらひらと漂っているのを見るということは。 And 死んでいるということは、骨の折れる仕事であり、多くの遅れを取り戻さねばならない、人がようやく少しずつ、永遠を感じるようになるまでは。 ─── しかし、生きている人間たちはみな、区別をしすぎるという過ちを犯す。 天使たちは(人々が言うには)自分が生きている人間の間を歩いているのか、死んだ人間の間を歩いているのか、しばしば分からないという。 永遠の流れは、両方の領域を通じて、すべての世代を常に己とともに押し流し、両方の領域において彼らの声をかき消してしまうのだ。
結局のところ、彼らはもはや私たちを必要としていないのだ、早くに去っていった者(早世した者)たちは。 人は地上のものから優しく離乳していく、母親の乳房から穏やかに成長して離れるように。 しかし私たちは、これほど大きな秘密を必要とし、悲しみからこれほどしばしば至福の進歩が湧き出る私たちは ───:彼らなしで存在しうるだろうか? かつてリノスへの哀悼の歌のなかで、大胆な最初の音楽が、乾いた硬直を貫き通したという伝説は、無駄なものだろうか。 ほぼ神のような青年が、突然永遠に去ってしまった、その驚愕した空間のなかで、初めて「虚空」が、今私たちを魅了し、慰め、助けてくれる、あの振動(響き)を始めたのだという伝説は。
リルケによるドイツ語原典(パブリックドメイン)
https://www.babelmatrix.org/works/de/Rilke,_Rainer_Maria-1875/Duineser_Elegien_-_Die_Erste_Elegie/en/32639-The_first_elegy
※完全なオリジナルの原典テキストです。
英語だとちなみに冒頭は
Who, if I cried, would hear me, of the angelic orders?
Wer, wenn ich schriee, hörte mich denn aus der Engel Ordnungen?
und gesetzt selbst, es nähme einer mich plötzlich ans Herz:
ich verginge von seinem stärkeren Dasein.
Denn das Schöne ist nichts als des Schrecklichen Anfang,
den wir noch grade ertragen,
und wir bewundern es so,
weil es gelassen verschmäht, uns zu zerstören.
Ein jeder Engel ist schrecklich.
Und so verhalt ich mich denn und verschlucke den Lockruf dunkelen Schluchzens.
Ach, wen vermögen wir denn zu brauchen? Engel nicht, Menschen nicht, und die findigen Tiere merken es schon, daß wir nicht sehr verläßlich zu Haus sind in der gedeuteten Welt. Es bleibt uns vielleicht irgend ein Baum an dem Abhang, daß wir ihn täglich wiedersähen; es bleibt uns die Straße von gestern und das verzogene Treusein einer Gewohnheit, der es bei uns gefiel, und so blieb sie und ging nicht. O und die Nacht, die Nacht, wenn der Wind voller Weltraum uns am Angesicht zehrt —, wem bliebe sie nicht, die ersehnte, sanft enttäuschende, welche dem einzelnen Herzen mühsam bevorsteht. Ist sie den Liebenden leichter? Ach, sie verdecken sich nur miteinander ihr Los. Weißt du’s noch nicht? Wirf aus den Armen die Leere zu den Räumen hinzu, die wir atmen; vielleicht daß die Vögel die erweiterte Luft fühlen mit innigerm Flug.
Ja, die Frühlinge brauchten dich wohl. Es muteten manche Sterne dir zu, daß du sie spürtest. Es hob sich eine Woge heran im Vergangenen, oder da du vorüberkamst am geöffneten Fenster, gab eine Geige sich hin. Das alles war Auftrag. Aber bewältigtest du’s? Warst du nicht immer noch von Erwartung zerstreut, als kündigte alles eine Geliebte dir an? (Wo willst du sie bergen, da doch die großen fremden Gedanken bei dir aus und ein gehn und öfters bleiben bei Nacht.) Sehnt es dich aber, so singe die Liebenden; lange noch nicht unsterblich genug ist ihr berühmtes Gefühl. Jene, du neidest sie fast, Verlassenen, die du so viel liebender fandst als die Gestillten. Beginn immer von neuem die nie zu erreichende Preisung; denk: es erhält sich der Held, selbst der Untergang war ihm nur ein Vorwand, zu sein: seine letzte Geburt. Aber die Liebenden nimmt die erschöpfte Natur in sich zurück, als wären nicht zweimal die Kräfte, dieses zu leisten. Hast du der Gaspara Stampa denn genügend gedacht, daß irgend ein Mädchen, dem der Geliebte entging, am gesteigerten Beispiel dieser Liebenden feels: daß ich würde wie sie? Sollen nicht endlich uns diese ältesten Schmerzen fruchtbarer werden? Ist es nicht Zeit, daß wir liebend uns vom Geliebten befrein und es bebend bestehn: wie der Pfeil die Sehne besteht, um gesammelt im Absprung mehr zu sein als er selbst. Denn Bleiben ist nirgends.
Stimmen, Stimmen. Höre, mein Herz, wie sonst nur Heilige hörten: daß sie der riesige Ruf aufhob vom Boden; sie aber knieten, Unmögliche, weiter und achtetens nicht: So waren sie hörend. Nicht, daß du Gottes ertrügest die Stimme, bei weitem. Aber das Wehende höre, die ununterbrochene Nachricht, die aus Stille sich bildet. Es rauscht jetzt von jenen jungen Toten zu dir. Wo immer du eintratst, redete nicht in Kirchen zu Rom und Neapel ruhig ihr Schicksal dich an? Oder es trug eine Inschrift sich erhaben dir auf, wie neulich die Tafel in Santa Maria Formosa. Was sie mir wollen? leise soll ich des Unrechts Anschein abtun, der ihrer Geister reine Bewegung manchmal ein wenig behindert.
Freilich ist es seltsam, die Erde nicht mehr zu bewohnen, kaum erlernte Gebräuche nicht mehr zu üben, Rosen, und andern eigens versprechenden Dingen nicht die Bedeutung menschlicher Zukunft zu geben; das, was man war in unendlich ängstlichen Händen, nicht mehr zu sein, und selbst den eigenen Namen weglassen wie ein zerbrochenes Spielzeug. Seltsam, die Wünsche nicht weiterzuwünschen. Seltsam, alles, was sich bezog, so lose im Raume flattern zu sehen. Und das Totsein ist mühsam und voller Nachholn, daß man allmählich ein wenig Ewigkeit spürt. — Aber Lebendige machen alle den Fehler, daß sie zu stark unterscheiden. Engel (sagt man) wüßten oft nicht, ob sie unter Lebenden gehn oder Toten. Die ewige Strömung reißt durch beide Bereiche alle Alter immer mit sich und übertönt sie in beiden.
Schließlich brauchen sie uns nicht mehr, die Früheentrückten, man entwöhnt sich des Irdischen sanft, wie man den Brüsten milde der Mutter entwächst. Aber wir, die so große Geheimnisse brauchen, denen aus Trauer so oft seliger Fortschritt entspringt —: könnten wir sein ohne sie? Ist die Sage umsonst, daß einst in der Klage um Linos wagende erste Musik dürre Erstarrung durchdrang; daß erst im erschrockenen Raum, dem ein beinah göttlicher Jüngling plötzlich für immer enttrat, das Leere in jene Schwingung geriet, die uns jetzt hinreißt und tröstet und hilft.