【ブログ版】世界の名作文学を甲論乙駁|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を甲論乙駁』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

【リルケを超訳】AIの翻訳から自分好みの『ドゥイノの悲歌』第一の悲歌を創った

【ドゥイノの悲歌 第一の悲歌】 古荘によるAI訳の翻案訳『ドゥイノの悲歌』第一の悲歌 どんなに ぼくが 力の限り叫んでも はるか高みの 天使たちには届かない もし 何かの拍子に 天使の1人が ぼくに気づいて ぼくを抱きしめてくれたとしても ぼくは その腕の…

【傑作解説】ヘルマン・ヘッセの最高峰『ガラス玉演戯』を読み解く|文化の統合という究極の演戯がここに!

皆さんは、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』や『デミアン』を読んだ後、彼がその生涯の最後にたどり着いた「究極の到達点」をご存知でしょうか? 今回は、全ヘッセファン、そして「知性の極致に触れてみたい」というすべての方に絶対に観てほしい、素晴らしい…

著書紹介コーナー||詩と短編とメンタルコーチ技法

短編小説集 30代半ばから40代前半にかけて 年に2本ペースで短編小説(原稿用紙40~80枚ほど)を書いて来ました。その中から抜粋したものです。 文芸誌の新人賞一次予選通過したものや 地元福岡の新聞で紹介批評された作品をチョイスしています。 www.amazon.…

堤防|詩

堤防 その堤防は海への道であった そしてまた風の通る道であった それは外海と 港の守る内海の領域との間に 見事なほどの一線を引いていた しかしそれは物理的には違いはなく 魂に立ち込める雲の作る境界であった 堤防の上の空間に光が 時によるとオーロラの…

はてなブログ note Wordプレス などなどブログ遍歴

ぼくはブログマニアだった 体験したブログと利用したアカウント数、は以下。 現在も使っているのは赤表示。 ①goo 1 ②Googleブロガー 1 ③Yahoo!ブログ 1 ④ライブドア 2 ⑤FC2を1つ 2 ⑥はてな 1 ⑦note 1 ⑧ワードプレス うち2つ 3 ⑨アメブロ 2 正直言…

【私の創作ノート】小説のための文章デッサン|小学校の時、缶蹴りという遊びをお寺の境内と墓場でやった思い出

缶蹴り 子供のころ、秋になると缶蹴りをよくした。だいたい、地域の小学生が学年を越えて10人くらい集まると村のお寺の境内で缶蹴りがはじまった。 缶蹴りのルール ルールは簡単。小さい丸を書いてそこに適当なカンを置く。 缶蹴りの風景 夏は暑いし蚊もいる…

詩人・谷川俊太郎を悼んで:言葉の深淵と「クラシクス」の記憶

先日、日本が誇る巨星、詩人の谷川俊太郎さんが逝去されました。私のYouTubeチャンネル『甲論乙駁』でも、彼の残した足跡を振り返る動画を作成しましたが、本日はその内容を改めて私のブログ読者の皆様へお伝えしたいと思います。 言葉の「艦隊」としての谷…

【徹底解説】『ガラス玉演戯』序章:精神の最高峰をゆく「魂のワーク」

1. 存在しないがゆえに実在する「バーチャル・システム」 ガラス玉演戯、およびそれを守護する教団「カスタリーエン」は、物理的な実体としては存在しません。しかし、アルベルツス2世が述べるように、「存在しないものを、あたかも存在するものとして扱う」…

阿刀田高『源氏物語を知っていますか』|実はほのぼの笑える新たな源氏物語観のはじまり

今回は、私が作成した動画「【絶対おすすめ】涙と笑いの源氏物語 ガイドブック|阿刀田高『源氏物語を知っていますか』」の内容を、ブログ読者の皆様に向けて改めて文章でご紹介します。 「艦隊」としてのガイドブックとの出会い 私は常々、古典(クラシック…

【最新版】「古典文学」と「clssic文学」の違いとは?|ホメロスとダンテと荀子

音楽でも文学でも classicの翻訳が古典である クラシック音楽はクラシックミュージック クラシック文学は古典文学となる なので19世紀のフローベルやバルザックやトルストイを古典文学というと 近代文学だ、古典と言えるのはシェイクスピアとか源氏物語と…

トーマス・マン評論集:珠玉の文学作品として、半世紀近く手元にある「魂の書」

youtu.be 私はこれまで数多くの文学作品に触れてきましたが、自分自身の知の骨格を形作り、最も深い愛着を持って接してきた一冊を挙げるとすれば、それは『トーマス・マン評論集』です。浪人時代に手にして以来、実に40年以上にわたって私の傍らにあり続け、…

若きロマン・ロランを貫いた「精神の3つの閃光」:かくて『ジャン・クリストフ』の礎は築かれた

www.youtube.com 20世紀フランスの偉大なる作家であり、ノーベル賞作家でもあるロマン・ロラン。 現代では、トルストイやドストエフスキーに比べるとやや注目されにくい彼ですが、その代表作『ジャン・クリストフ』や『魅せられたる魂』は、かつて多くの若者…

三島由紀夫『海と夕焼け』:ランボーの詩『永遠』を彷彿とさせる、完璧なる風景描写と実存の孤独

私は先日、三島由紀夫の短編小説『海と夕焼け』(1955年)を読みました。 わずか15ページほどの手のひらに収まるような小品ですが、読み終えた瞬間に感じた衝撃は、どの長編小説にも引けを取らないものでした。三島由紀夫といえば『金閣寺』や『豊饒の海』と…

モーツァルトの名曲『アイネクライネナハトムジーク』と私:随筆

モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク(Eine kleine Nachtmusik)」という曲を知らない人はいないだろう。曲名でわからなくても聴けば「ああ。これね」となるに違いない。美しくも軽やかな名曲中の名曲だ。 ところが私にとってこの世紀の名曲…

川端康成『山の音』読後感:戦争と青春の思い出に囚われた、男と女の「静かな地獄」

私は先日、川端康成の代表作の一つである『山の音』を読み終えました。正直に申し上げれば、本作は若い頃に何度か挑戦しては、そのたびに50ページもいかずに挫折してきた因縁の作品です。当時の私には、老人の枯れた心情や、割り切れない家族関係の機微が全…

【漢詩超訳がすごい】陶淵明「飲酒」| 超訳すると素晴らしいモダンな近代詩になる 

漢詩は古代シナ文学の至宝です。それを 日本語読みする漢文という日本語は見事な文化的方法です。 しかし21世紀のこんにち、漢文の日本語で漢詩を読むと古臭さを感じます。それは当然のことで平安時代あたりの日本語で読む技術だからですね。 そこで口語訳…

森鴎外『青年』における文体の魔法:小説としては「駄作」なのに「文」としては名品

動画はこちら www.youtube.com 私は先日、森鴎外の『青年』(1910年)を読み終えました。この読書体験は、夏目漱石の『三四郎』を再読した勢いのまま、漱石の描く青春への対抗意識から生まれたとされる鴎外の「精神小説」に触れておきたいという強い好奇心か…

ジェイン・オースティン『自負と偏見』:イギリス的「おしゃべり」が紡ぐ、究極の日常文学

ジェイン・オースティン「自負と偏見」動画紹介です 私は先日、実に40年もの間「積読」状態だった一冊の本(上下で2冊)をついに完読しました。ジェイン・オースティンの『自負と偏見』です。手元にあった古びた文庫本を開き、一ページごとに付箋を貼り、線…

トマス・ハーデイの詩を味わう|『ダーヴァヴィル家のテス』『帰郷』の作家ハーディは詩人でした

ハーディの詩は素晴らしい この動画は 11分14秒から詩の朗読になります 一年の目覚め The Year's Awakening, 275 1910年2月作 どうして君には判るのか、何週も何週も 鬱陶しい 死装束のような暗雲が空を覆っていたのに、 そして春の色はまだ ただ一…

自作の詩 キーツの詩 神 花 イタリア

この詩のモチーフを語った自作の動画です www.youtube.com 詩 BY 古荘英雄 イタリアへ旅発つジョン・キーツを思い描いて 無垢な少女の口元から血があふれ、有機体とは思えぬほどに透き通る真っ白な口元に、一筋の真紅の流れが生まれる。それは命そのものであ…

ライブ配信「魔の山上巻読了」|収録後の報告

www.youtube.com 魔の山を読むのは これが3度目です。 トーマス・マンは一番好きな作家のひとりです。最近読んだのは ブデンブローク家、ヨセフとその兄弟の第1部 第2部、評論集。 ファウストス博士もとても好きです。 今回は ヨセフとその兄弟を読みなが…

ゴーゴリ『外套』:ロシア文学を決定づけた「小さな人間」の悲劇と笑い

ドストエフスキーが「我々は皆、ゴーゴリの『外套』から生まれた」と語ったという逸話は、あまりにも有名です。 真偽のほどは諸説ありますが、この言葉がこれほどまでに人口に膾炙(こうしゃ)しているのは、1840年代以降のロシア文学が、文字通りこの一編の…

TSエリオットの<CATSキャッツ>覚書|世紀の名曲メモリーズができるまで

TSエリオットは20世紀の偉大な詩人です 私は彼の詩を何度も繰り返し読んで来ました たとえば #詩集荒地 の巻頭 #死者の埋葬 これは「4月は残酷極まる月だ」で始まるよく知られた作品です。 また #プルーフロックの恋歌 も好きだし 何より #ある婦人の…

夏目漱石『三四郎』再考:未来を信じられる最後の季節、あるいは「苦悩」の前奏曲

私は先日、夏目漱石の『三四郎』を久しぶりに読み返しました。 この作品は、日本文学における最も代表的な「青春小説」の一つです。かつて学生時代に読んだ時とは違い、多くの漱石作品を通過してきた今の私の目には、本作が放つ独特の「明るさ」と、その背後…

サン=テグジュペリ『人間の土地』:初期パイロットたちが見た大空の輝きと、大地の実感

私は先日、サン=テグジュペリの『人間の土地』を、堀口大学氏の情緒豊かな翻訳で読み終えました。前々からサン=テグジュペリは気になる作家でしたが、今回この本を手に取ったきっかけは、表紙に描かれた宮崎駿監督のイラストに惹かれたことでした。 宮崎監…

【最新:小説講座】風景描写で<世界>を創る|書き方ひとつで読者の心は動く

これは小説における風景描写の重要性を書いた記事です。 1.風景描写①1/4 小説を書く方法 小説の中身を検証すると次のものがあります 1.風景描写(人物描写) 2、人物の動作 3.物語の展開 4.セリフ 5.状況の説明 6.内面描写 この5項目を満遍な…

ドストエフスキー『悪霊』読後感:翻訳の森を抜け、「悪霊」という概念の深淵へ

長い間 ドストエフスキーは罪と罰 カラマーゾフの兄弟は読んでもその他は地下室の手記くらいで 輝かしい大長編たちを読んでないことが文学的劣等感でした。 ところがついに 私は先日、ドストエフスキーの「五大長編」の一つに数えられる『悪霊』を、亀山郁夫…

【世界近代詩10人集】半世紀読み続けた世界の名詩は本当に凄かった!:翻訳詩が紡ぐイメージの共鳴

私の手元に、一冊の古びた本があります。 河出書房の「世界文学全集」の一巻として編集された『世界近代詩10人集』です。表紙も背表紙も取れ、テープで補強しながら大切に持っているこの本は、私が中学2年生の時に買ったものです。以来、約50年。半世紀とい…

【私が愛した詩集たち】最高の文学体験は詩の読書:トルストイもドストエフスキーも超える深淵なる世界

イントロダクション 私はトルストイの『アンナ・カレーニナ』やドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』トーマス・マンの『魔の山』といった、世界文学の巨大な山脈ともいえる長編小説について語ることが好きです。しかし、自分自身の読書体験を根底から支…

【深読み解説】リルケ『若き詩人への手紙』:リルケ的宇宙観が凝縮された「魂の教科書」を読み解く

私はこれまで、リルケという詩人の放つ独特な光に何度も魅了されてきました。 今回取り上げる『若き詩人への手紙』は、リルケの著作の中でも最も有名で、多くの若者や芸術家志望の人々に読み継がれている一冊です。 しかし、最初にお伝えしておかなければな…