【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル 『ハタさん』2022/9/28

《ハタさん》 ハタさんというタイトルはどうか? 作者の内面には当然過ぎる名前だろうけど 私は近所の一人暮らしのお酒好きのおじさん の話と思って読み始めた 自分にとって思い入れのあるものほど 対象化して自分がまず咀嚼しないと作品にならない でない…

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル 《タナトス》|解体し作者の意図も効果も読み解く試み

タナトス(〈ギリシャ〉thanatos)ギリシャ神話で、死を擬人化した神。 眠りの兄弟、また夜の子とされる。 フロイトの用語で、生の本能に対する、無機物の不変性に帰ろうとする死の本能(衝動)のこと。********************《タナトス…

【現代詩の徹底解説&批評】詩のタイトル 《私にくれ》|構造なくして詩作なし

《私にくれ》飯干良作作 私にくれ言葉をくれ昼日中の街道をゆく弔いの行列だ先頭の者が掲げる大きな写真は黒いリボンで縁取られた遥か昔の少年の私である笑っていた私は、と言えば街道沿いの坂の上の木立ちに隠れて弔いの行列を睨みつけていた金属バットを…

ドストエフスキーは他人とは思えない|自我にまとわりつかれた男の苦闘のつぶやき

ドストエフスキーが彼自身のような、自意識過剰な人物を描写するとき、いつもそれは私にそっくりな心だと思ってきた。 地下室の手記 などあまりにも私すぎて途中から読む必要もないほどだ。 カラマーゾフの兄弟ですら、私がフョードルやアリョーシャに自分を…

詩の文体について|それは音楽であり絵画であり宇宙そのものになりうるもの

詩体というとニュアンスが変わるので敢えて詩の文体と呼ぶ。文は人なり、であり、詩の文体は詩そのものかもしれない。岩間さんが何を書いても根底の絶対の温かみは文体から来る。大村さんが何を書いても大村さんの印鑑が押されているように感じる。坪内さん…

改めて考える詩人の役割|人類の歴史の最初からいたのは神と王と娼婦と詩人

詩人は人々の心に漠然と沸き起こった感情を言葉にして示すものだと思いますなぜ秋風が物寂しく感じるか?それを敢えて言葉にするものです詩人本人までが 漠然と秋風は物寂しいと書いたら共感はないんですね詩人は見事に目の前に人々の物寂しさを表現する役…

バルザック人間喜劇をゴリヨ爺さんを起点に考える

ゴリヨ爺さんから選んだシーンヴィクトリーヌ・タイユフェル嬢ヴォケェ夫人の下宿屋のひとり彼女の父親は娘として認知しない手元におかず年額600フランを送るだけさらに財産を息子ミシェル・タイユフェルに移すべく不動産を動産に変える下宿人のひとりヴ…