【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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【イギリスロマン派の詩人】詩人シェリーを知っていますか?奥さんは『フランケンシュタイン』の作者です

パーシー・ビッシュ・シェリー

シェリーというイギリスロマン派の詩人を知ってる人は少ない

でも実は間接的に、みたいな感じで意外と日本で知られている 

漱石草枕に出て来る「雲雀」という詩

草枕 雲雀→ 雲スズメということで「雲」

草枕の冒頭当たりで シェリーの雲雀の引用がなされて

漢詩と比較するシーンがある

ここでの漱石漢詩の方がいいと語っている

西風に寄せて という詩の最後は実は有名

福山雅治の歌詞で引用「冬来たりなば春遠からじ」

福山雅治の歌で有名というより

ことわざ的によく使われていて なぜか日本では流布している言葉になっている

それなので 福山雅治がこの個所を歌詞に入れた

フランケンシュタインを知らない人はいない

妻の書いた「フランケンシュタイン」はあまりにも有名

シェリーはロマン派の詩人



パーシー・ビッシュ・シェリーはイギリスロマン派の詩人です

29歳でイタリアにて ヨットの遭難事故に会い亡くなりました。
バイロンキーツと並んでロマン派の旗出とされています
 
ぼくはシェリーがこの中では一番好きです
ワーズワースもロマン派と言われるけどちょっと違うと思うので
ロマン派の中ではシェリーです
 
ノーベル賞を受賞した哲学者バートランド・ラッセルが幼いころ
祖父の膨大な蔵書からシェリーの詩集を開いて
読むにつれて外の世界が私から剥がれ落ちて私はシェリーの詩の世界に没頭したと述懐しています。とりわけ アラスター という詩が好きだったようです
確か 雲 もラッセルは好きだったとうっすらと記憶しています
私はラッセルの伝記や一般向けの「幸福論」などが好きだったので
ラッセルが愛好する詩人ならと読んでみたら見事はまったのでした
 
ラッセルは幸福論の中でも
「雲」
について触れています
'すべての川が海に流れ込んでいますが、海はいっぱいではありません。
川が来るところからその場所に、彼らは再び戻ってきます。
悲観論の根拠と見なされ、これは旅行が不快であることを前提としています。
人々は健康リゾートに行きます夏に、それでも彼らが来た場所に再び戻ってください。
これは、夏に健康リゾートに行くことが無駄であることを証明するものではありません。
水が気持ちに恵まれていれば、シェリーの雲のように冒険的なサイクルを楽しむでしょう。

シェリーはどんな人?29歳でヨット事故で亡くなる

シェリー自体は学生のころから過激な思想、過激な行動をとり、反キリスト教活動や反政府活動などから放校になったりその後も当局に監視されていたようです
私生活も過激最初の奥さんのおなかに子供がいる状態で別の女性と同棲、3人で住みたいと言って奥さんを絶望させたり、奥さんが自殺したあと結婚したその女性とは彼女の妹と3人で暮らし、スイスでバイロンと会うとその妹にはバイロンの子供を身ごもったりといろいろありました・・・奥さんはあのフランケンシュタインを書いたメアリーシェリー、バイロンの邸宅にいるとき、このバイロンの屋敷に人造人間がいてもおかしくないと着想をえたそうです

作品

詩集のほかには
詩についての論文と
戯曲を書いています
「解放されたプロメテウス」 
 

『縛られたプロメテウス』というアイスキュロス作のギリシア悲劇があります。
人間に火をあたえたプロメテウスは、ゼウスの怒りにふれ、ヘパイストスの作った縛めによりカウカソス山の山頂に縛り付けられる。
このプロメテウスの様子をゲーテも詩にしています

ギリシア悲劇は三部作で上演されるものであるため本作はその第1編であり、この後に

『解放されたプロメーテウス』→ないからシェリーが書いた!



『火を運ぶプロメーテウス』
が続くというのですが
 
物語の順番から
①火②縛られた③解放された
が真相ではないかと思います、そんな説もあります
 

ギリシャ悲劇の写本喪失の余談

ちなみになぜ②しか残ってないか?
これには理由があって
古代ギリシャの写本などのほぼ全部はアレキサンドリアのムセイオンにありました
 

ムセイオン古代ギリシア語Μουσείονラテン文字表記:Mouseion)は、古代ヘレニズム世界における学堂。英語博物館美術館を意味する museum の語源である。本来は、古代ギリシアで信仰された学術・芸術の女神「ムーサイ」(英語ではミューズ Muse)の祀堂であったものが、学堂として発展したものといわれる。

ギリシア文化の伝播に従い各所に創建されたが、特に有名なものはプトレマイオス朝エジプトにおいて、時のファラオプトレマイオス1世が学府アレクサンドリアに設立したもので、王の私財によって万邦の英哲俊士が集められ、文献学を中心に天文学物理学など学芸が大いに隆盛した。当時世界最大の図書館「アレクサンドリア図書館」もムセイオンの付属機関であった。その後、ローマ支配下でも存続したが5世紀はじめのキリスト教による学者の虐殺を伴うテロリズムによって破壊され消滅した。

 

アガメムノン』を著したアイスキュロス、『オイディプス王』を書いたソフォクレスと『メディア』を記したエウリピデス三大悲劇詩人

なのでたとえばアイスキュロスソフォクレスなどはシェイクスピア級といわれますが

シェイクスピアになぞらえて言えば

シェイクスピアには4大悲劇のマクベス リア オセロー ハムレットがあったそうだ

現存するのは冬物語じゃじゃ馬ならしの二つだが、これら現存のものより素晴らしいならとんでもない作品だったことだろう

という感じだそうです  あーもったいない!!

 

シェリー自身の4大詩作品

 

 

それは

・雲

・おやすみ

・西風 →格言になっていて福山雅治の歌詞にも使われた

・雲雀に寄す→漱石草枕で紹介

です

そしてぼくが好きなのは

「雲」と「おやすみ」です

一部どんな雰囲気なのかご紹介します

 


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