【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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詩の書き方講座4|政治をテーマにする詩は可能か?①

政治を詩にするとき何を対象に書くのでしょうか?

詩は作者の感情ではなくその原因となる事物や出来事を鋭く語るものです

立原道造が秋風について鋭く歌うとき その先にある恋が浮き立ちます

ホイットマンが世界について歌うとき その先にある進歩と平和が浮き立ちます

安倍元総理が死んで嬉しいと歌うときはその先にあるのは作者の自我のみです

政治を対象に歌って普遍化させるのはとても大変です

平和安全法制が反対だと詩にするならば

暗喩で数千回の空襲 沖縄と満州 広島と長崎 南方戦線とシベリア抑留

などの日本人の戦争体験を確実に響かせない限り詩になりません

あのような国民的悲劇を回避する方法として

外国の軍隊がウクライナのようにやってきたら紙吹雪で歓迎し

白旗を上げて天皇は廃位させその国の支配を受け入れる

自由と独立より命あってこその人間 子供も老人も誰も死なないことが一番大事

というようなことを深く深く歌わねば詩になりません

そうすると政策の違いを超えて、根源的に戦争とは何か?

恒久平和とは何か?

というテーゼについて読む人の心を震わせるでしょう

もちろんこんな大きなテーマを書くのは大変です

そうです、政治のテーマとは突き詰めると根源的であり人間性そのものだから大変なのです

ヤングケアラーの問題でもその若者のそれまでの生活や未来や

子供に世話になる親の苦しみなど突き詰めていくと神に祈るしかないような話です

そうです 政治とは神の管轄を人間の智慧で何とか肩代わりする試みなのです

という深さになるのですが

安倍元総理が嫌いだから殺されて嬉しいというのは

おまえがきらいだ 死ねと言って石を投げる子供のような文章なのです