【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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超訳ヴェルレーヌ「 秋の歌 」上田敏に捧ぐ|名詩超訳シリーズ

ヴェルレーヌの秋の歌

また秋が扉を開けた

 

秋の日に
寂しさが
木々の梢を震わせる
誰かが弾くバイオリンの音色が
溜息のように
泣き声のように
わたしの心を見つめながら
通り過ぎていく

子供たちがやさしさに包まれた

それぞれの家に帰る時刻

どこかで鐘が鳴っている

そのいつまでも響く音色もまた

わたしの心を撫でていく

胸つまらせる思い出のような

何かが今

わたしののこころに触れていく

 

震える木々から

葉が落ちる

夕焼けに染まる

落ち葉たち

舞いながらあてどなく地に落ちる

わたしのように

いつまでも風に吹かれて

舞いながら

落ちながら

 

 

上田敏の有名な訳

 

秋の日の

ヰ゛オロンの

ためいきの

身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。
 
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。
 
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。

D'une langueur

Monotone.
Tout suffocant
Et blême, quand
Sonne l'heure,

Je me souviensDes jours anciens

Et je pleure;
Et je m'en vais
Au vent mauvais
Qui m'emporte

Deçà, delà,Pareil à la

Feuille morte.

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