【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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トマス・ハーデイの詩を味わう|『ダーヴァヴィル家のテス』『帰郷』の作家ハーディは詩人でした

ハーディの詩は素晴らしい


 この動画は 11分14秒から詩の朗読になります

一年の目覚め The Year's Awakening, 275

                   1910年2月作

どうして君には判るのか、何週も何週も

鬱陶しい 死装束のような暗雲が空を覆っていたのに、

そして春の色はまだ ただ一つとして大地の

装束のなかに現れ出てはいないというのに、

見かけの上での運行で 太陽が巡礼として宿る星座の帯ー

星座の連なるあの黄道帯に沿って、太陽が今はすでに

二月の宿の魚座から、境を過ぎて三月の

牡牛座にまで行き着いているということが

おぉ春薄暮の歌を歌う鳥よ、どうして君には判るのか、

    どうして君には判るのか?

 

どうして君には判るのか、地の下深く埋もれていながら

視界からも音の世界からも閉ざされていながら

気温さえ 転回したわけでもないのに

生命がほとんど耐えられそうもない気候が続くのに

光が  わずかばかり力を増したということが、

日中が数刻ばかり長さを増したということが、

そしてそのことから、手を施さなくても、数週間経てば

もう凍えをもたらしはしない穏やかな風の吹くことが、

おぉクロッカスの根よ、どうして君には判るのか、

どうして君には判るのか?

 

詩の内容

地中に眠る種が目を吹く春

その春を その種はなぜ知ることができるのか?

それを宇宙にまで思いを馳せながら歌っていく名詩です

 

詩人ハーディ

ハーディと言えば 帰郷 や 日陰者ジュード ダーヴァヴィル家のテス

などの小説が有名ですが 本人は自分は詩人であると意識していて膨大な詩を書いています

#ハーディ と言えば #ダーヴァヴィル家のテス サリンジャー が

その ライ麦畑でつかまえて の中で #帰郷 を推奨したりもしてました

そんなハーディの 短編小説と #ハーディの詩 の紹介です

 

トマス・ハーディ概要

 

私がはじめてハーディを読んだのは中学生のとき
ダーバヴィル家のテスが最初でした
この代表作の長編を中学生が理解できるわけもありませんが
まあともかく通読しました
物語は割りと面白く中学生でもついていけるところがあったのです
そのテスは集英社の世界文学全集でした
その本にハーディの伝記や簡単な作品紹介があり 詩人ハーディが
本人の望んだ立ち位置だと知りました
 

BBC制作番組 ハーディの心臓 は名動画

BBCでハーディ特集をやっているのをYouTubeで発見しました

この自分の動画の中でも紹介しました

自分は英語がわからないから この番組の全貌がわからないけど素晴らしかったと

語ったのですが・・・

www.youtube.com

すると視聴者の方で翻訳業を生業とする方から

そのBBCの番組の 全セリフを翻訳していただいた文章が届きました

いやあ ありがたかった 素晴らしい仕事でした

BBCのハーディの生涯をその翻訳を片手に再度見て 心から感動したのでした

www.youtube.com

 

いずれにしてもハーディは小説家のインパクトが強すぎるのですが

その存在の全貌を知るには詩もぜひ読む必要がある!

そう思います

 

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