2017-09-22 自作の詩「にらめっこ」 日常 死 微笑みby辻冬馬 自作の詩 文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ にらめっこ 二つの針の微妙な配置が時計盤に表情を作り出し申し分のない話相手が出現するそれは晴れ舞台や何かの幕引にいつも一緒だったもちろんただの日常の波間にもその存在が意識を離れたことはない ぼくが死んでも無機質に旅を続けるはずだゆらぐことなく整然としたリズムで表情を作ったりただの文字盤になったり この小さな顔が先々にはそんな深淵にまで関わりを持つことに思い当たってぼくは笑えなくなったそのとき針の人の目にわからぬほどの微妙なずれが微笑みを生んだぼくが勝ったただ時間がたっただけだが・・・・・・