【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

サマセット・モームについて楽しく語る|最高に面白いストーリーテラーの作家

モームはドイツ人やフランス人のように、文学でもって人生の意味を考えたり、社会の奥に潜む矛盾や問題点を鋭く切り込むような、そんなことはしていません。 しかし人間へのあたたかくも的確なまなざしで、読むものに安心と楽しさを与える作品になっています…

【自作の小説】あの夏の向こうに<目次>

anisaku.hatenablog.comanisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.hatenablog.com anisaku.ha…

【宮本輝芥川賞作品:蛍川】蛍の乱舞が包み込むそ悲しくもしなやかな人々の生の流れ

youtu.be 宮本輝の作品は ドナウの旅人 優駿 草原の椅子 オレンジの壺 三千枚の金貨 など 息もつかせぬストーリー展開がとても面白い! でもあまりにも 展開がありすぎて 全体の印象が少しぼやけたりします(個人の感想です) 文学史に残る一番本格的な作品…

立原道造の詩を味わいその早熟の天才を鑑賞する

立原道造 4編の詩の朗読動画 youtu.be 4分30秒から朗読が始まります 24歳で夭折した天才詩人立原道造 その詩は何が魅力なのだろうか? 個人的感想と 実際に4つの詩を朗読して味わってみます 高村幸太郎とのコラボ youtu.be 立原道造の詩は、当時の日本…

陶淵明「飲酒」 超訳すると素晴らしいモダンな近代詩になる 

陶淵明「飲酒」超訳 <酒飲みの夕暮れの歌> 私は黄河を失った晋の末裔だ長江の河口に逃げのびそこに拠点を作った国の役人として日夜励んできたものだだが今や私は人の世の流れから抜け出したそれも街中に居ながらにして抜け出したのだ街中にある庵からは不…

大人になった息子と日曜日に出かけた|福岡県立美術館と大丸デパート

福岡県立美術館へ!実は初めて行った 福岡市には市立美術館と県立美術館があるので とても贅沢だ 美術館に加えて 市立博物館と国立博物館(これは大宰府にある)もあるから こういうのが好きなら退屈しないかも。 2023年10月現在 県立美術館の方は新ビ…

<ケムリ研究室>緒川たまき『眠くなっちゃった』を見てきた|舞台の芝居を観たのはものすごい久しぶり!

芝居を見に行ったのは数十年ぶりです 最近は映画でさえめったに見に行かなかったのが 女友達に誘われて観て来ました 劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)と 女優の緒川たまきのユニット『ケムリ研究室』の 第三弾新作公演『眠くなっちゃった…

【イギリスロマン派の詩人】詩人シェリーを知っていますか?奥さんは『フランケンシュタイン』の作者です

パーシー・ビッシュ・シェリー。 シェリーというイギリスロマン派の詩人を知ってる人は少ない でも実は間接的に、みたいな感じで意外と日本で知られている 漱石の草枕に出て来る「雲雀」という詩 草枕 雲雀→ 雲スズメということで「雲」 草枕の冒頭当たりで …

生きているとバランスが壊れていくものだ

人はみな 生きているといろんなバランスが壊れていく よく言われることだが 生まれた時はみんなまっさらだ。あたかもパソコンの工場出荷時のように。工場出荷時の状態をデフォルトという。人も生まれた時はデフォルト状態だ。 そしてパソコンが使っているう…

【トーマス・マン25歳の偉業】『ブッデンブローク家の人々』は完璧なる小説芸術|文芸YouTuberムーさんのオンライン読書会に向けて

トーマス・マンと言えば魔の山だけど だいたいみんな魔の山を思い出すものです もちろんスーパー名作ですが・・・ 北杜夫などはブッデンブロークこそずっと読まれるマンの作品というくらい。これは面白い。政治的なものや文化的なものが入らず純粋に小説とい…

過去2000年間文学鑑賞とは再読のことだった|シュティフター「晩夏」は2回目以降でないとわからない

読書とは再読のことだった! そもそも文学作品とは再読前提で作られていたと思います 古くはホメロスの歌がありますが あれは文章で作られることなく 歌として 歌われる言葉として紡がれたものを後の世の人が文章にしたものです ホメロスオデュッセイアを通…

【八咫烏シリーズ】『烏に単は似合わない』とにかくほんとに面白い!|阿部智里の松本清張受賞作

たまに現代文学を読みますが日本の現代文学にはほぼはずれはない、 何を読んでもそれなりに面白い。 今回読んだ「 #烏に単は似合わない 」は それなりどろこかとてつもなく面白かった! youtu.be 小説家ランキング

Googleブロガーの文学ブログをはてなブログに引っ越して来ました

Googleブロガーで数年間運営してきた「文学ブログ」を このたびこのはてなブログに移行しました それとともに はてなブログの内容は「文学関係」のものに変更となりました 基本3年前からやっている文学YouTubeチャンネル「世界の名作文学を5分で語る」 の解…

詩は5人から10人くらいのサークルで輪読の朗読で鑑賞するのがベストです

ぼくは詩もよく読みます 昔 高校生の頃から40代半ばに至るまで 福岡市にあった「パルナシウスの会」という詩の同人誌に参加して 約20年に及んで 年に3~4本の詩を発表していました だから詩とは読むのも書くのも長いつきあいです 参加していた同人誌の…

ドゥイノの悲歌と時祷詩集と美しい叙情詩|詩人リルケはゲーテを凌ぐ天才だった

リルケ入門動画 リルケは詩、それもドゥイノの悲歌の10の歌やオルフォイスのソネットなどを著わしたし、 マルテの手記などの小説もありますが、随想となづけた随筆やエセーも珠玉の作品ばかりです ドゥイノの悲歌 詩人は詩人、作家は作家で考えるものです…

文学日記ってなんだろう?

この文学ブログでは文学日記というタイトルで日記を書いている 別のブログでは、単に日記と書い たりする。 その違いは何かというと結構プライベートなことについてはこの文学ブログには書かないのと スポーツや政治経済などについてもここでは書かないから…

ゲーテのファウストを本格的に読む|2023年10月14日オンライン読書会開催

ゲーテのファウストを本格的に読む試みです 約半年前に告知したゲーテのファウスト第二部オンライン読書会が 無事終了しました これがアーカイブです 【ライブ配信】ゲーテ『ファウスト第二部』オンライン読書会|10月14日土曜日夜10時 今回の機会で フ…

秋の日のクラシック音楽の詩 2編

秋の日のクラシック音楽の詩 2編 巨人マーラーの交響曲が始まる 1. マーラーの演奏が決まると 指揮者も演奏者も日常生活が破綻するという 交響曲はただでさえ長いのに ブラームスやベートーベンの倍近くあったりするのがマーラー 2. しかも 頻繁に訪れるソ…

『宇宙船から地球を見つめるようには 地平線に目をやれない』

『宇宙船から地球を見つめるようには 地平線に目をやれない』宇宙船から地球を見つめるようには地平線に目をやれないはじめて人が馬を乗りこなした時すでに未来に向かって戦死する馬の数は決まってしまったのだ始原の交通革命によって人は地平線のかなたにま…

詩:<祭り|地球上のどこであろうと人がいる限りそれはあり続ける>

<祭り|地球上のどこであろうと人がいる限りそれはあり続ける>地球上のどこであろうとどんな宗教を信じていても どんな言葉を話していようと山であろうと海であろうと そこに人間がいさえすればそこには祭りがある神々が海のかなたからこの浜辺に上陸した…

『わたしに寄せ来る海と夢』

『わたしに寄せ来る海と夢』わたしの前にある海は遠くに島影を見せながら夕暮れになると海岸を覆う優しい 布団のようでありましたわたしの前にある海は若い希望の残骸を クラゲのように打ち上げながらまだ生きていても いいのだよ と 荒い中にも優しい潮風…

シェイクスピアの戯曲はやっぱりすごい!|ヘミングウェイは言った「シェイクスピアの芝居を読むと元気が出る」

シェイクスピアのジュリアス・シーザー|ホメロスとシェイクスピアの共通点 シェイクスピアは読めば必ず面白いけど その深さに到達するには 翻訳で時代を経た私たちにはコツがいるのかもしれない リア王とその周辺についての真剣な考察|ホメロス的精神が鳴…

ヘッセ作「荒野のおおかみ」の事実上の初読

ヘッセ作「荒野のおおかみ」の事実上の初読 たぶん28歳くらいに一度全部読んだはずだが何も覚えていなかった ヘッセの第一次大戦までの作品は頭に残りやすいが 社会批評、人間精神の問題に深く分け入っていく時代の作品は なぜか頭に残らない デミアンもシッ…

文章を書く人と書かない人の違いはカフカとディケンズの違いよりも違っているという話

たとえば カフカとトーマス・マンは同じ作家といってもずいぶん違う カフカとバルザック、ディケンズになるとまるで違う ということで普通は その違いについて考察がなされて いろんなことが語られるものだ でも カフカやトーマス・マンやバルザックやディケ…

【ドイツの詩人】ヘッセと並ぶ詩の巨人ハンス・カロッサ|その魂の修行時代を文学ライブで徹底して語る

*車輪の下ではなくカロッサの青春変転こそ感想文推奨図書 幼年時代 青春変転 美しき惑いの年 指導と信従 を通しで読むと生まれてから就職するまでの人間を見渡せるこれにルーマニア日記を加えるとそんな人間が従軍する話となるそして詩を加えると カロッサ…

YouTubeライブ配信にOBSを使い始めた話|いくつになっても学ぶことは快感だ!

YouTubeのライブ配信には大きく2通りある ①単純にウェブカメラを使って配信する この場合はカメラに写っている自分だけがずっと登場する 簡単だが共有画面とかが一切使えず、自分の創った資料やブログ画面などを見な がら解説することができない ②ストリー…

古代史のYouTubeは時々バズる

私のYouTube3本の矢 ◎古代史 ◎文学 ◎セラピーコーチング 文学はまずバズることはない 昔の作品や作家を扱う以上 今更トーマス・マン、スタンダール、ドストエフスキーについて語っても それはそれらの作家が好きな人が見るだけであり、数に限りがある。 しか…

丹後に古代史講演旅行に行ってきた

YouTube3本の矢のひとつ 古代史のチャンネル「地図をなぞって日本古代史を考える」の反響で 古代丹波歴史研究会の伴としこさんから 古代丹波歴史研究所/伴とし子オフィシャルサイト 第9回目となる2023年の会合での講演の依頼を受けた。 それは2月の…

2023年のお盆の読書はシェイクスピア|昔の夏の読書の思い出

夏の読書の思い出 夏で思い出すのは芥川龍之介の 羅生門 そしてヘッセの 車輪の下 いずれも夏休み読書感想文のために中学の時読んだ それから武者小路実篤の 愛と死 ゲーテ詩集 こういったところが思い出の本かな パルムの僧院やブデンブローク家は社会人一…

【カフカの城:動画案内】1章から20章まで徹底解説|壮大な夢と現実の織り交ざるドラマ

カフカ『城』序にかえて|5章ごとに精読していく試み 最初に全体の概要をお話しています。この小説はいったいどんな小説なのか? 【カフカの城を熟読中:1章~5章】Kが城の村に登場した! 1.到着 2.二人の助手の登場 3.フリーダ 4.おかみとフリーダ 5.村…