トーマス・マンと言えば魔の山だけど
だいたいみんな魔の山を思い出すものです
もちろんスーパー名作ですが・・・
北杜夫などはブッデンブロークこそずっと読まれるマンの作品というくらい。これは面白い。政治的なものや文化的なものが入らず純粋に小説というものを書いてる点でも、より芸術的作品ですね
ぼくは23歳の時に読んで面白く感じていましたが今回35年以上経過して再読通読して、
いや、これはとんでもない世紀の名作だと思った次第です
on-line読書会に向けてのメモ
19世紀の小説芸術のあらゆる技法を集大成して結晶化したみたいな作品かなと思います。本人も言ってますが、柱の部分はゴンクール兄弟の芸と、当時はやった北欧家庭小説の雰囲気とトルストイのライトモチーフの技法を、トルストイの叙事詩的構造に入れ込んだものですね。わかっていてもこんなことは天才でないと25歳でできないと思います
共和制ローマの元首がコンスル(執政官)で、北方のドイツ語圏ではコンズルと発音するみたいですね
ビュルガー=フランス語のブルジョア(ドイツにおいては神聖ローマ帝国以来の自治権をもつ都市市民=日本語では単に市民と訳されます)をマンは生涯讃えるところがあって、この作品の時系列は1871年のドイツ帝国の統一によってビュルガーとブルク(自治都市)自体の没落も奏でていると思います
●文芸ユーチューバームーさんのオンライン読書家7月28日に向けて https://www.youtube.com/watch?v=wBg4sGgrI7Q ここまでの私の読後感などを整理して読書会に臨みます(笑)
●タイトル原題 Buddenbrooks ほんとはブデンブローク一族みたいな感じかな?
●ゴンクール兄弟の影響が大
●トルストイとゴンクール兄弟とブールジェの影響
完成品ブデンブローク家のあとに迷いのトニオクレーガーを書いたのはなぜか?普通は逆だ!
●ノーベル賞の主要理由 魔の山は爆弾みたいな感じで
●北杜夫 楡家の人々は似ている マルタンデュガールのチボー家の人々はだいぶ違う
●トニオクレーガーの前に書いてる不思議
●内容1 描写 エピソード化がうますぎて嘘みたいだ
内容2 グリューンリッヒの詐欺のところすごい
内容3 アメリカのテレビドラマのように今回読み切りの物語がまず面白く長期的な
内容4 風景描写 人物描写 建物描写 当時19世紀が作った小説芸術の成果を
ブッデンブローク理解のためのドイツ社会の都市市民なるもの
作中には しきりに「市民」という語が出てきますこれはビュルガー。ブルク=城壁に住む人ブルガー=ビュルガーというドイツで都市市民ですこれがフランス語風になまってブルジョアという言葉になりましたがもとはドイツ語のビュルガーですで神聖ローマ帝国の皇帝から自治権を与えられた帝国自治都市の上流市民たちは自分たちは貴族同様であると思っていたとのこと。フランクフルトという自治都市出身のゲーテがまさにそう述べています
ブッデンブロークの人々の誇りは、まさにこのビュルガーとしての意識から来ているのでしょう。そしてビュルガーの職業はおおむね カウフマン=商人ですだからドイツでは商人の社会的地位が今日でもイギリスやフランスよりも高いのだとか。
まとめ
トーマス・マンは結構難解なのですが
このブデンブローク家はスーッと読めます
最初にこれを読んでから
魔の山や ヨセフなどを読み継いでいくのがいいかもしれません