【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

2022-01-01から1年間の記事一覧

村上春樹と宮本輝の小説

小説とは本来こんなもんだろう何気にとって30分くらい読んでたら楽しいなんだったら2時間くらいでも読めてしますそして結構 印象深く考えさせられることもあるトルストイやバルザックの小説はこんな感じカミュはカフカはこうではないしドストエフスキー…

【控えめなニーチェ雑感】ニーチェが語るゲーテの悲劇|人間的なあまりに人間的な

#ニーチェ と言えば #ツァラトゥストラはかく語りぬ ですがツァラトゥストラを語るには本格的な再読が必要。 なのでここでは #人間的なあまりに人間的な の中から ゲーテについて書かれた箇所を取り上げます 美術への才能を断念するゲーテの気持ちは #…

詩の構造を創造するという文学行為

批評1西脇順三郎風のタッチなので読んでいて言葉のリズム感みたいなものはいいですね。そしてまた、一行ごと、一節ごとの表現もなかなかいいです。聞こえた通りに詩にするということは言葉がひとつづつ紡がれていくのだろう思いますし、イイ感じの言葉が並…

詩とインスピレーションと創造

詩はどうやってできあがるのか?直感のまま 言葉が浮かんでくるままにまずは書くという行為が必ずありますこの場合、ところどころに素晴らしい1行か2行があって、自分で読んでもうまい表現だったと感じ、他者が読んでも素晴らしいときもあります4行か5行の…

詩の批評文

「鹿のように」たまには徹底批評してみます星々と語らう前に山々とダンスを踊ろう⇒「ダンスを踊ろう」では「星々と語らう」という言葉を支えられないさめざめと泣く前にきしきしと丸石どもを踏もう丸石どもは雨の下で昨日の揺籠になりきる峠の茶屋はみんな…

ヘミングウェイが代筆した手紙|第一次世界大戦の戦場から怪我をした友人の母にあてた真心のない完璧な手紙

最後の文学論|ヘミングウェイの手紙ヘミングウェイが第一次大戦に従軍中、友達のお母さんに友達の代わりに手紙を書いていたという逸話があります。友達本人が書くと、「ぼくは元気、危険な任務も今のところない、安心して。母さんも元気で」で、終わってい…

詩の書き方講座6|詩は感性ではなく技法で作られる

気持ちをありのままに書いても詩にならない絵画には遠近法がありますね。近くのものは大きく書いて、遠くへ行くほど小さく書く、それによって遠近感を平面の紙の上に出す技法です。技法とわざわざ言わないほど今では当たり前になりました。ほかにも横のライ…

詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きる

詩の書き方講座5|詩人はファンタジーの世界に生きるランボーが夕日を見て永遠を感じるのは、ホントにそこに永遠を見るからです。普通の日本人は読みませんがシェリーの名詩「雲」では、雲が地球を眺める壮大なつぶやきが続きますが、シェリーはそのときみ…

詩の書き方講座4|政治をテーマにする詩は可能か?①

政治を詩にするとき何を対象に書くのでしょうか?詩は作者の感情ではなくその原因となる事物や出来事を鋭く語るものです立原道造が秋風について鋭く歌うとき その先にある恋が浮き立ちますホイットマンが世界について歌うとき その先にある進歩と平和が浮き…

『1973年のピンボール』を巡る絶望|村上春樹が示す個の完成へ向けた時代の転換

#1973年のピンボール と #大江健三郎の万延元年のフットボール は連動しているそうですそれではじめてピンボールという小説の奥行がわかったような気がします でも個人的には 1985年の自分の精神風景と、この1973年の風景がリンクしていました

三好達治の詩の紹介|大阿蘇&草千里浜を併せて読むと詩の空間が広がる

三好達治の詩の紹介です 一緒に味わって行きましょう 37歳の時の「大阿蘇」 と同じ阿蘇を舞台にした39歳の時の「草千里浜」です 三好達治をもって日本語の詩は完成したんじゃないかと個人的には思います 動画で詳しく語っています 動画中の伊勢物語の和…

ゲーテが言葉で作った素朴でしなやかな時空|『ディーヴァン:西東詩集』を味わう

ゲーテ晩年の西東詩集 #ゲーテの西東詩集 は、 ひとつのコンセプトで貫かれた小説空間のようです ワイマル図書館で借りたアラビア関連の本を返却せずインスピレーションを受け続けたようです 東方空間というよりはみずからの言葉で作った精神的な時空こそが…

文学YouTuber ムーさんのライブ配信を時々見ます

【 オンライン読書会 #23 】 ドゥルーズ 『 ニーチェ 』 力への意志 ニヒリズム 超人 永遠回帰 |月1ミーティング 2022年7月 【 文学YouTuber ムー 】なかなか面白い以前私のバルザックの動画にコメントをもらって以来年に一回くらいやりとりしています

バルザックの長編「絶対の探求」は駄作かもしれないけど後半は面白い|動画で語りました

バルザックの35歳ころの長編「絶対の探求」。翌年には谷間の百合、同じころゴリオ爺さん、と円熟期の作品であるまずはバルザックの中の位置づけについて語りますそれからこの小説の過剰な描写について思うところを話しますまあ、谷間のゆりも過剰描写のオ…

史上最高の小説家はトルストイ|ドストエフスキーの黙示録より叙事詩が人を癒し回復させる

【史上最高の小説家はトルストイ】 YouTubeでだいぶ前になりますが トルストイの戦争と平和は 神業であるというような動画をアップしました 内容には少し誤認のところもあったり、お見苦しい個所もあるのですが、ぼくの動画では通算で1位か2位の視聴回数にな…

【朝日新聞掲載の川柳】 7/15 帰らぬ命 幸せ無限大

【朝日新聞掲載の川柳】7/15 帰らぬ命 幸せ無限大*****************で今 この川柳を巡ってパッシングが起こっていますねこれは安倍さんが死んで幸せ無限大と言ってるわけです驚くべきことにFacebookの【原始林】という文芸グループでは、…

SNSによくある詩のグループへの愚痴を少しだけ書いてみる

ピアノを練習せずに弾いても「ピアノを弾いてる」となり、適当に絵を描いても「絵を描く」となりますね。改行して文章を書くと{詩もどき}にはなります。でも明らかにちゃんとピアノを弾いたりちゃんと絵を描いたりした作品はすばらしい。練習も考えもしな…

世界の詩集全集と日本の詩集全集|21世紀でも詩は間違いなく素晴らしい文学作品

昔はこの白い詩集シリーズ(ほんとはカラフルなカバーがある)がどこの本屋にもあった。私が最初に詩を読んでいいなあと思ったのは、この中のランボー詩集だった。中学1年の時だ。特に「幸福」と「わが放浪」は好きだった。金子光晴訳。なので超天才ランボ…

詩的言語

詩的言語赤ん坊が言葉を覚えるのは、周りの大人が言葉を話すからだ。だから英語圏だと英語を話すようになり日本なら日本語を話すようになる。関西なら関西弁で福岡なら博多弁がベースとなる。つまり人はいつも聴いてきた言葉で話すようになる。同じようによ…

Instagramのマーケティングはどうかな?と思った話

最近 「イメージと瞑想のハイブリッドコーチング」のInstagramをはじめました タロットではちょっと前に開始してましたがいまいち身が入らず。 ところがコーチングの方は 真剣になります! やっぱり一番やりたいことはイメージと瞑想を使ったコーチングなの…

健康診断から内視鏡検査へ|いろいろ工夫して臨む3度目のチャレンジ

健康には気を使っています 死ぬまではずっと元気でいるというのが目標です ******** 2年前の健康診断で要精密検査 大腸検査が必要 という指摘を受けました 内視鏡検査ですね ドキッとして結構気に病みました でもまあ 健康は大事 てきぱきと動いて …

堤防|詩

堤防その堤防は海への道であったそしてまた風の通る道であったそれは外海と港の守る内海の領域との間に見事なほどの一線を引いていたしかしそれは物理的には違いはなく魂に立ち込める雲の作る境界であった堤防の上の空間に光が時によるとオーロラのようにた…

ちょっと小説を考える|19世紀から20世紀にかけて小説芸術は完成の域に達した

ちょっと小説を考える21世紀の現在の小説芸術は20世紀に行われた様々な破壊と修正と創造の実験のあと、その成果でいくらでもなんでも表現できることの賜物である。昔からこんな小説作法があったわけではなくこんなアイデアがあったわけでもないそして2…

バルザック『知られざる傑作』

知られざる傑作バルザックの短編饒舌さのない入り口普通は家や人や地域の風景を書きまくるので入るのが大変でもこれは最初から入れる饒舌な名人芸普通の天才と未来の天才の3人 フレンホーフェル ボルビュス プウサンボルビュスの書いた絵に能書きをべらべ…

日記をどこに書くか?

私は今YouTubeを3本やっていてブログに至っては7つ。開設している数ならプラス8つくらいある。で、日記をどこに書くかなんだけどこれが結構定まらない今書いてるこれは文学日記。あと日記にできるものといえば10くらいある。ミクシーの日記やFacebook…

永遠の神童モオツァルト|永遠の若者小林秀雄がズバズバつぶやいた昭和21年の作品

昭和21年、終戦の翌年に44歳の #小林秀雄 が書いた #モオツァルト は今日読むと天才論としてかなり正確な論文に思えます が、これは評論ではなく、モオツァルトを鏡に、あるいはモオツァルトとスタンダールとゲーテをネタに書いた小林秀雄の短編小説…

【モーム】幸せの尺度!人生の価値はどこにある?|深く楽しくちょっと驚くサマセット・モーム珠玉のストーリー『太平洋』

#サマセットモーム がタヒチを舞台に書いたものと言えば #月と6ペンス でも 短編集 #太平洋 にも #タヒチ諸島 が出てきます 今回は 絶版となっている 短編集『太平洋』から 巻頭の序文「太平洋の描写」と #マッキントッシ #エドワードバーナードの転…

清岡卓行の詩を読むと亡命してないのに祖国へのはるかな悲しみを感じる

清岡卓行#清岡卓行 の詩を紹介します。 素晴らしい詩がたくさんあり、もしも清岡がフランス人なら世界文学に輝くメジャーな詩人になっていたかもしれない #ノーベル文学賞 もあったかもですね 彼は大連生まれの大連育ち。祖国を空間的にも失った体験がベ…

小説とイメージ療法の接着点

以前から高校時代をテーマにした想像をよくしていた。そして小説まがいにそれを書き記していたこともあった。いつもその想像をしているとだんだん深くなり現実とは異なる展開をたくさんしてくのだが、こういう想像作業に名前があって心理学のイメージ療法の…

【小説論 2022/5/7】

【小説論 2022/5/7】デッサンのように、好きな街の情景や、山の中や、海岸のことを書いていってみる。すると、人々の歩く姿やそれぞれの人間関係、ビルの中のお店の数々、山道で聞く鳥のさえずり、ざわざわとする木々を吹く風、眺望、波音やカモメの飛ぶ姿…