知られざる傑作
バルザックの短編
饒舌さのない入り口
普通は家や人や地域の風景を書きまくるので入るのが大変
でもこれは最初から入れる
饒舌な名人芸
普通の天才と未来の天才の3人 フレンホーフェル ボルビュス プウサン
ボルビュスの書いた絵に能書きをべらべらしゃべりながらあっという間に
血の通った絵に修正する天才的な腕前
そして饒舌にしゃべりながらそれをやる
で
この男がもう10年もの長きにわたり描き続ける幻の女性の絵がある
この天才をして完成されないほどの完成度の高い絵とはどんなにすごいものか
ということで二人はなんとか見たいと考える
男は鍵のかかった部屋にそれを入れて隠しているから
で若者が自分の恋人、完璧な美人の女を差出し
交換しようと提案
ついに知られざる傑作を目にすることになる
果たしてどれほどの絵画であることか
いやがおうにも盛り上がって部屋に入って行く2人の画家
物語はここから2ページ後に終わる
小島信夫という人がバルザックを読むにあたり芥川龍之介に相談して
エブリマンスライブラリーの英訳で13巻を読むことにして
最初が知られざる傑作だった 模糊として面白い
秋山図も模糊として面白いという面白いという
しかし知られざる傑作は かなりはっきりしていると思う
この饒舌と修正の才能をもってして完全な美を創造するときに何が起こったか
なのである