最近は通読してから感想を書くよりも
読み始めたときに感想を書く方が多い。
それはまずは面白いかどうかが 読み始めで決まるからだ
モーパッサンのデビュー作を45年ぶりに読む
で
中学2年のときに買ったモーパッサンのデビュー作「脂肪の塊」を
ついにあれから45年の歳月の後 ついに開いて読み始めた
そしたらめっちゃ面白い。まだ最初の10ページだが、小説の作り方が死ぬほどうまいのである
モーパッサンはピエールとジャン、べラミ、死のごとく強し、女の一生、無数の短編集とたくさん読んできたのだが、なぜかデビュー作は今更読まなくても、みたいな感じで読んでいなかったのである。
でもやっぱりデビュー作というのは特別なものだな、きっと。
まだあと100ページ残っているが、モーパッサンのことだから、ここまでこれだけ面白ければもう最後まで面白いのは決まりである。
そして読了
全部読んだ。文庫本69ページが最後のページだから短い
それにしても出だしのフランスの敗残兵の話から、整然としたプロシァ兵を登場させ、
そしてあの頃にすでにフランスの庶民感覚は
さすが革命の国である
そして現実を前にした人間のエゴや
悲惨さや哀れみや憤りなどが実に的確に
これ以上ないというほどぴったりと表現されている
さすがに小説を書かせたらモーパッサンの右にでるものはいない
って感じ。
バルザックよりも作り方ははるかにうまい。
19世紀最高の作家ではないだろうか?