バルザック作品は長い
バルザックと言えば長編小説。ゴリオ爺さんに従妹ベッド、谷間のゆり。ウージェーニーグランデなどなど。
しかもこれらの長編すべてでひとつの壮大なドラマ「人間喜劇」が形成されるのです。
ということはその全貌を知るためには?
あー!!ながい、ながい、ながい、長すぎる。
ということで読む気も失せますが(笑)
一作ごとでも面白いバルザック
でも 大丈夫
人間喜劇全部を読まなくても
従妹ベッドだけでも
ゴリオ爺さんだけでも
面白いのです
さらにさらに
短編のひとつだけでも
面白いのです。
このバルザックの短編が面白いというのは
あまり言われません。
最大のおすすめ短編は「ざくろ屋敷」
面白い短編としておすすめのは
ざくろ屋敷
これは最高です。
日本人が絵をもとにした映画も作っています
ざくろ屋敷 映画のプロモーション
https://www.youtube.com/watch?v=aJtIrHRpoec
ざくろ屋敷映画の紹介
https://filmarks.com/movies/58652
映画で使われている絵の例。
これらの絵は40ページほどの小説の書く場面を的確にとらえて表現しています。
あの鹿島茂さんが監修しているのでそのあたり完璧です。
で
ぼくは読んだあとに見ましたが
文章でわかりにくい家まわりの様子や当時のフランス上流階級の衣服などが
はっきりとわかってよかったです
二人の息子と母親がざくろ屋敷で5か月ほどすごした話を書いているのですが
母親の死によってその日々は終わります
そして母親と子供たちの境遇や
死後の子供たちのいくすえなどが
哀愁に漂いながら語られていきます
名作です
蛇足ですがこの物語の謎の部分は他の人間喜劇の中である程度明らかになっていますが
それを知らずに読んでも当然面白いし
知って読むと面白さは倍増します
その他の短編
ざくろ屋敷のほかに
赤い宿屋
これはゴリオ爺さんを読んでから読むと
登場人物の背景がよくわかり 面白さが倍増します
あと
ほんとうに短いものとして
ことづて
という小説があります
死んだ恋人のことづてを女性に伝えにいくという話です
まとめとして
偉大な作家ですが
長編ばかりでなく
短編も
ほんとに素晴らしい
そんな作家です
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