トスルトイの復活を読んでいる。
中学1年から2年にかけて読んで以来実に40年ぶいくらいだ。そしてあの頃はほとんど意味がわからず、でもトルストイの小説だからと頑張ってはいたが面白くなく読んでいたので、半世紀近く経った今はじめて復活を読んでいるようなものだ。
今、トルストイが復活を書いたときのように私も年齢を重ねてこの本を読むととてつもなく面白い。思うにこの本を味わうための条件がひとつあるのだがそれはある程度年を取っているということだ。
なぜなら若い時にこれを読むと、本の主旨もトルストイに意図もすべてを超えて冒頭箇所の、ネフリュードフとカチューシャの美しい恋物語に酔いしれるのだが年を取って読むとその素晴らしいタッチが、実は老いたトルストイが青春に距離を置いたからこそのものだとわかる。
そう思ってはじめてその後の贖罪と神への道がわかってくるというものだ。
なお復活はアンナカレーニナよりも戦争と平和よりも、近代的でとても面白い。もしかしたらトルストイ最高傑作ではないか?などと思いながら読み進めている。