【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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自作の童話 「 雲の妖精の物語 第4話」 by 海部奈尾人

 

自作の童話「雲の妖精の物語」

 

現代版「絵のない絵本」アンデルセンもどきに

 

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冬山に逃げた王様の物語④

 

百人の武器を持った男たちは、王国の大事な大きな栗の森に入ると、自分たちが食べる栗を取るだけではなくて、いえいえい、もともとそんなことはせずに、王様たちに、食べ物を食卓まで届けろという申し出を断られた腹いせに、森の木を切り倒していったのです。

 

すごい音が何度も何度も聞こえ、何本も何本も大きな古い栗の木が切り倒されて行きました。

 

わたし、雲の妖精は王様の様子をじっと見ていました。

 

王様は家来たちと一緒に森に入っていきました。

そして、木を切るために男たちが脇においていた武器という武器を、こっそり、持ち運んでしまいました。

それから森を出て王様は、百人の武器を持たない男たちが、森から出るのを待ちました。

 

やがて夕暮れが迫った時、百人の武器をもたない男たちは、リーダーに率いられて王様の前に来ました。

栗をたくさん食べておなかはすいてなさそうでしたが、たくさん木を切り倒したので、とても疲れてふらふらしているようでした。

 

 

リーダーの男は言いました。

「おれたちの武器がないぞ、王様。おまえたちが盗んだんだろう」

王様は言いました。

「私たちの栗の木も何本もなくなったようだ。一番大事なものを奪われたから、一番大事なものをもらった。これで交換になったから、あなたたちの罪はゆるされた」

 

百人の武器を持たない男たちのリーダーは怒って怒鳴りました。

「栗を食べてもいいといっただろう!!

とっとと武器を返せ、さもないと!!」

 

「さもないとあなたたちの武器で私たちを倒すのですか?

でももうあれは私たちの武器です」

百人の武器を持たない男たちのまわりを、王様の家来たちが武器をもって、百人の武器をもった家来が取り囲みました。

 

続く・・・・・

 

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