秋を見つけた日に
✳️
それは山の中にいた
すすきが細やかな影を作る道を
揺らめく夢となって風が吹き抜ける時
それは街の中にいた
ビルの上を通りすぎる大きな雲が
遠い場所へ人の心を誘う時
それは思い出の中にいた
ある朝目が覚めて
懐かしさとともに青空が目に飛び込むとき
人々の心がそれを作り上げた
共に紅葉を眺め
共に心地よい空気を吸い込み
共に虫の音に聞き惚れ
共に夕日の赤を追いかけるとき
秋は共同体の中に生まれた
秋は幻想として生まれた
秋はそこにいつのまにか
立っている
世界は秋一色に染まっている
秋以外にもう何もない
秋はそこに
住むものたちによって成り立つ
山には栗を拾うリスたち
やがて間もなく
雪に覆われる夜のために
巣を作る狐たち
森を食べ続ける熊たちがいる
街には憂えと恐れの上着を着た
男たちと女たちがいる
雲の上には
そんな人間たちの憧れと夢がいる
そして過去と未来の中には
人生がいる
秋の中に
人々は夏の癒しを見て
冬の憩いを見る
秋の彼方に
私はいま
何を見ているのだろうか?