最初に読んだ村上春樹は1973年のピンボール
ネズミという友人とぼくの話だ。
フローベルを読みながら夏中ビールを飲むだけの虚ろな若者のぼく。
そこに双子の女の子がやってきて奇妙な同棲生活がはじまる。
そしてネズミという何かを求める若者がぼくと袖すりあう程度に関係しながら
いろいろする。
この小説を24歳のぼくはとても面白いと思って読んだ。たぶん切れぎれにあちこち読んだ回数なら100回にはなる。
これは村上春樹の2作目だ。
デビュー作 風の歌を聴け
これが面白かったのでデビュー作の「風の歌をきけ」も読んだが全く同じ小説だった。
1作目2作目は喫茶店経営の仕事が終わり、夜書いたのでいつも書き始めるところから新たに物語がはじまった、みたいなことを本人がインタビューで答えていたが、その通り。
風の歌をきけと1973年のピンボールは2冊まとめてどこから読んでも同じ世界だと思う。なんの違和感もない。
ところがとても面白かった。あれは漂白の魂と若者の純粋さが実は前面に出ていたと思う。そしてそれが結局若者たちの共感を読んだのだ。結局村上春樹の後の全作品は、この2作に込められたものの拡大深化再生産であるのだと思う。
村上春樹を読んだきっかけ
なぜ村上春樹を読んだかというと、24歳の時のガールフレンドがぼくと待ち合わせの喫茶店で読んでいたのが村上春樹の「羊を巡る冒険」だったからだ。それが3作目。「面白いわよ」と言うのでまずは短いピンボールから読み始めたのだ。
そして 1973年のピンボールの後に 羊を巡る冒険を読むことになる。
その後の村上春樹読書
小説で言えば 1Q84 と 街とその不確かな壁 をのぞいて
全部読んだ それも2回か3回づつ読んだ
初期の頃は随筆まで読んでいるので村上作品の全貌はわかると思っている
で
一番好きなのは 今の気分だと 羊を巡る冒険 と 騎士団長殺し である