【小説作法 ひとつの方法|パラシュート型展開法】
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創作をしていると、当初描いたものと違うものに変わることがよくあります。はじめから終わりまでを時系列に書くことに意味はないのかもしれません。
パラシュート創作法。
書きたいシーンをまず書く。そこから未来へ展開させる。
そしてそこから過去へも展開させる。
こうなったのはなぜかを書くと、最初から時系列で書くより明らかに奥行きが出ますね。それは未来をしっていて今を書くからでしょう。
そのシーンの展開に飽きたら、今度はまた別の書きたいシーンを書いてみる。その二つがうまくリンクできれば一つの小説になるし、嚙み合わなければ別の小説になる。
トルストイのアンナカレーニナなどは、鉄道自殺した女のニュースを聞いたのがきっかけで書き始めたそうだから、鉄道自殺のシーンからすべてはさかのぼったのだと言えますね。
バルザックなどもこの館が今こうなっているのは、過去にこんなことがあったからだと、谷間の百合 や ざくろ屋敷を書いています。
あらかじめ目次を作ってそれに沿って書くのは実は自意識のみの力で創作するようなもので、作り物感が出てきます
パラシュート的創作をすることで作家は、過去を神のように操れるのですね。三人称で書くときにはこのようにしないと、読者と一緒に作者も考えながら書いていると感じさせるといまいちになってしまいます