【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

新約聖書についての素人の雑感|遠藤周作 阿刀田高 モーリアックのキリスト像

新約聖書

「おまえの神はどういう神なのか?」

「わたしの神は父なる神である」

というイエスの返事が日本語聖書に載っています。

 

ここで父を意味するヘブライ語でのアベーは

現代日本語の語感としてパパ、おとうちゃん、との話を聞きまして、

そうすると ここでのイエスの返事のニュアンスは正しくは

わたしの神は、そうだね、やさしいパパみたいな神様さ。

にっこり笑って許してくれるんだ」

みたいなものかと不敬ながら思いました。

ユダヤ教の神は切れるおやじです(不敬ながら)

いうことを聞かないからと 洪水で世界中を水に沈めて滅ぼし、
だらしないからと光で都市をせん滅させる。

いつも顔色を気にしてしまうこわいおやじ。

そんなユダヤ教の世界に

あるとき颯爽と

「やさしい パパだよ、ほんとは神様は」
と言ったのが生存中のイエス(不敬ながら)
 

しかし聖書の随所にこんなニュアンスミスの翻訳があるのかと思うと、

これがキリスト教が日本で苦戦する一因かとさえ思いました。

まあそれは語りだすと本が100冊でも足りないでしょうけど(笑)

 

 

モーリアックと遠藤周作阿刀田高のイエスと聖書の話

モーリアック

新約聖書にあるイエスの事績を小説的に 第三者の視点で淡々と描いたモーリアック。

テレーズ・デスケールーで有名なこのフランス人ノーベル賞作家は熱心なキリスト教信者でした

遠藤周作

このモーリアックの イエスの生涯 のあとに

日本のキリスト者作家 遠藤周作の キリストの誕生 を読みました

遠藤周作の場合 イエスの奇跡は基本起こっていないと考えます

伝説として神話として記録された事績であり実際に起こったことではないと。

なので人々がイエスを慕ったのはその神のような奇跡の力ではなく

無限に共感し寄り添う姿勢にあるとしています

無限に万人に寄り添うこと自体神のような行為ですが

ただ やっぱり多少の奇跡めいたものはあったんじゃないかと思います

まさか死人が生き返ることはなくても 病気が治ったり 心が改心したり

現代でいうヒーリングみたいなことは行っていたと思います

阿刀田高

もう一つが阿刀田高の 新約聖書を知っていますか

です

これはモーリアックと遠藤周作のあとに読みましたから

ほとんど丸被りです

ユーモアたっぷりの阿刀田高の文章は楽しかったです

キリスト教徒でないからこその書き方だったと思います

 

ということでとても満足のいったイエスと聖書の3冊でした

 

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