欧米の文学はあまり雨が降らないような気がするのは気のせいか。「
武器よさらば」の最後は雨だし、スイスへの逃避行も雨の中ボートを漕いでいた。
「テレーズデスケールー」も雨が降るが、降っているとだけ書かれていて、何かこう重い。
ボードレールの詩には、雨を題材にしたものもあるし、ヘッセの詩にもある。詩なら雨を歌うが小説には登場しないのか?
シャーロックホームズには雨の場面があったが、それも雨の中で何かをするという感じではない。
モーパッサンは雨が降らない。
スタンダールも雨が降らない。
ような気がする。
日本の小説でも雨の降る小説は少ない。
雨はやはり詩を喚起するものなのかもしれない。