【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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ある移住 第6章から19章を省略 【第20章 最後の審判】海部奈尾人

シヴァ大統領はオシリスたちの思念の凝縮した泡の中にいる。

その泡の表面はエネルギーが発光し、光り輝く玉になった。

そしてオシリスたちは今や物体としての在り方をやめ、エネルギー存在として、シヴァ大統領の周りを守るように浮かんでいた。


人々は空に浮かぶシヴァの光を見ていった。

われらがシヴァの提言に耳を傾け準備をすれば誰一人死なずにすんでいた。この破壊と滅亡を、今やシヴァも眺めるしかない。


インドではシヴァは破壊神であるが、それはこの大洪水の日のシヴァ大統領の記憶からきているのである。


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地上では、大洪水が都市を覆った。そしてインド半島からアラビア半島まで広がる広大な豊饒な大地を海底に沈めた。

それはたった一日の出来事だったので、ほとんどの人は死んだ。そしてその文明の山岳地帯の人間が、新たに河口地帯となったかつての高地で文明を育むことになった。

大陸棚文明時代の高地で洪水後に河口地帯となったのは、チグリスユーフラテスの河口、インダス川の河口だった。すなわちシュメール文明とインダス文明の開始である。