【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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自作の詩「季節を放浪するもの」BY 辻冬馬

創作 詩と小説 エセーと随筆

季節を放浪するもの


ぼくは季節が変ると

別のところへ行き 別の人間になった

様々な場所があって 様々なものがあって

様々な人がいて

それらを流れる「時」があって

去りがてには 別れの歌を歌いもした

ぼくの旅は 歌が支えるやくざな旅だ

季節を越えるごとに 「日々」というものを

身近に感じるようになった

朝には 新しい勇気と決意とエネルギーが

日と共にやってくることを知り

夕方には 酒とおしゃべりで

夜空を見上げてほっとできることを知り

呼吸するように日々を越えて

新しい季節が来たらまた一からやり直す

なぜならこれは混沌だからだ

その混沌の中に長いすれば

生命に値する生命さえ

自分の足では立てなくなるからだ


ぼくのコスモスは(笑ってはいけない)

遠い空へのあこがれだ

それを口にするものはもういなくなった

深い過去から汲めども尽きぬ

様々なモノが湧き出て

それは遠い空へのあこがれを

示しているに過ぎないのに

湧き出るにまかせ

それが貯まって海にさえなろうとも

ああ 海だな と

思うだけの人間が このぼくだ


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