創作 詩と小説 エセーと随筆
古い館に入る
そこで外の仲間が
消えるのを目にする
あれは
道
なのか
運んでいるのは
声や視界や願い
彼らの明日が広がる
彼らをかわす時の流れ
彼らの原点が彼らの滅びへ至る道の始まり
自然消滅への流れは
真昼間時
古い館の外に雨となってばらまかれる
56億7千万人の
オトタチバナノヒメの面影が追ってくる
火となって
眠りを燃やしながらここに来る
古い館の自然消滅も56億7千万年前に決まった
56億7千万年かけて
すべてのオトタチバノヒメが燃え尽きるのだから
その時より先
時は進まない
再び オトタチバナノヒメを取り戻していくか
あるいは
世界の果てを越えて行くか
ああそうだ
帰ることが
白鳥に身をやつしてでも帰るべき場所へ!
56億7千万年後のひとりは
孤独すぎる
子孫の顔にも
面影のかけらもない
日々を越えることは
繰り返す創造と破壊で
でもどちらが先だったのだろう
耐えられぬ変転につかれて眠る
オトタチバナノヒメの中
昨日は世界の果てより遠い
ヤマタトケルノミコトの涙が光るとき
天より見ればそれは星のように
輝き
神々がやってくるのだ
ブログ内の海部の詩