詩
ぼくはいつも待っている
母さんが晩御飯で
大好きなシチューを作ってくれるのを
兄さんがいつのまにか飽きてしまった
ゲームソフトをぼくにくれるのを
ぼくは毎日学校で
授業が終わるのを待っている
放課後になるのを待っている
ぼくはいつも待っている
ある日ぼくが
突然勉強が好きになることを
突然歴史に興味が湧いて
突然πを3.14のあと10桁ばまで言えるようになることを
ぼくはいつも待っている
今日の日が終わって
明日の日がぼくをやさしく抱きしめてくれるのを
いつの日か大人になって
今の悩みのすべてが消えてなくなることを
そしていつか父さんが
遠いところから戻ってきて
動物園とか遊園地に連れて行ってくれることを