【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

YouTubeチャンネル『世界の名作文学を5分で語る』のブログ版です。世界と日本の名作紹介と様々な文学批評 そして自作の詩と小説の発表の場です

自作の詩 赤い灯台の歌 by 辻冬馬

文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ

赤い灯台の歌


 あの

夕立のあとの

雨露に輝く草や葉や

若い瞳のきらめきが

まっすぐな道のように

今のぼくまでのびていて

 ぼくはあの日の涼しい空気に

 いつでも自由に帰ることができる

 混沌

爆発する時代 


力のはけぐちの問題なのだろうか

そうであればそれは

悲しみを知らぬ人々に特有の

ねじれ曲がった心根の

制御の失敗

腐った精神をどれほど

壮大に深く

空いっぱいに描くことはあっても

決して認めることのないように

 何もかもをもっているとしても

すべてを使うことはないのだ

舞台裏を知らぬ以上は素朴な

歌が流れ続けなければならない

 集団で歌うことは危険でも

 一人きりで歌うことは祝福だ



たとえばぼくなら

 故郷の海に毎晩ともっていた

赤い灯台に歌を歌う

そこから今のぼくに来る

気力と妖力がねじれながら

ひとつのエネルギーとなって

 未来からは何が来るか

そして未来に何を放り投げるのか

ある種の器を作り中身を注ぎ続ける

それによって

ある種の超人的な運命を

得た今では

あとはこのまま進むだけ

ただしそれが何か誰にも語らぬこと

相手が賢者でなければ笑われるだけだ







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