文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ
夜行列車 by Naoto Amabe
過行く風には未来の香りが漂う
明日の朝日は今日を消し去る
ああ 今
彼女と逃げた夜行列車の響きが聞こえる
それは青春の終焉だった
夜行列車を下りたとき
少しだけ首をかしげて
彼女はぼくを見つめていた
そのうるんだ瞳を
見つめ返してぼくはいとおしさがこみあげてきて
彼女の流れるような髪が
かすかにほつれているのを見つけて
かばうように抱きしめた
それから
彼女の笑顔がぼくを包みこみ
二人は手さえつないでその街へ
朝日の中を
未来の時間を求めて
入っていった
グループブログにて古代史の探求