文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ
「夢と夢」 by 海部奈尾人
*写真はLEEさんの友情出演です
彼女の夢は
雨上がりの 朝の陽差しに照らされ て
緑の草の葉の上を
流れる雫の煌めきのよう
僕の夢は
もう目覚めることのない
最後の眠りに現れるという
あの忘れられない思い出のよう
そんな二人の夢と夢が
あの時すれ違いざまに
ほんの少しだけ手をつなぎ
束の間ぼくらは見つめあった
やがて離れていく彼女の夢と
沈んでいく僕の夢の
記憶がついに途絶えた時
ぼくのいない未来に向かう 彼女の道に
ぼくの思い出がひっそりと
菫となって咲いていますように
そよ風に菫が揺れて
ぼくの心のささやきが
その時彼女の心に届きますように
・・・ぼくはずっと囁いていた
神さま 彼女をお守りください
と