【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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東洋の彼女~キムヒソンがジャッキーチェンと共演する映画神話を見ているとついに東洋を見つけたと思った

文学創作 小説 詩 ポエム エセーのためのカフェ

東洋の彼女 by 辻斗真



彼女は異国の女でありながら

白人でも黒人でもない


近代化ののち

黄色人種が外国人であるという概念が

私たちの頭の中から消された


彼女は東洋の美

ある種の思い出そのものとつながる

それでいて

生々しくも現実であり

インドヨーロッパ語族系の言葉を

喋る人たちと違って

私たちと

同じ言葉の変種を発する者であると

はっきりとわかることで

印欧語の人々とは違う格別の親近感がある






考えてみれば

この界隈には北京語と広東語と日本語の他にも

たくさんの言葉がある

ハングル語の彼女が

広東語を話すのを見るのは不思議だ

ハングル語と広東語のデュエットで歌われる

あの歌も不思議だ

私たちの言葉も白人の言葉も使わずに

私たち以外の人々が交流するのを見るのは

人類の勢力図を歪にしてしまって以来

はじめてのことではないだろうか




等身大の別の人間を

等身大の視点で見つめることは素晴らしい

彼女は東洋でありながら異邦人であり

私が出会った中で

最もある種のイメージに近い

傲慢であることの誤解をおそれずに言えば

彼女が日本人でないのが

ありえないほどの奇異を感じる




彼女の語る言葉は私の言葉と

同じ流れであり

彼女の抱える集団の歴史は

私たちの歴史とリンクすること夥しい

私たちは同じ流れなのだ

ただそれは百年か千年ののちに

語られることでもある


だが今の彼女の笑顔は

風が土地の上を吹き

屍も銃弾の痕も爆弾の跡も

時が埋め

今や心の中の記憶でさえも

埋めようとしていることを告げる

ここに至るまでの果てしない遅延


そののちに 今ようやく

わたしたちはお互いを等身大の言葉として

受け入れられる日を待つことができるようになった

そんな

地点まで来た


そのように

彼女の笑顔のラブソングが

語り続ける



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