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文学日記~松本清張の点と線を読んで井上ひさしは祭りだと言った 2020年5月

5月21日木曜


井上ひさしが、松本清張について語ったことにこんな意味のものがある。
「私たちは清張さんの小説世界に入ってそこで祭りを経験する。みんなでおみこしをかついで、騒いで走り回る。そうして祭りが終わったら今度は日常に戻るのだが祭りの体験によって、リフレッシュしてまた現実の日常をがんばろうという気になっている」

これは芸術全般についての良き洞察である。
すべての芸術は祭りなのだ。
文学は祭りなのだ。
そこでどれだけの悲劇があろうと、喜劇があろうと、それを味わうことが祭りなのだ。
もちろん映画もそうだし、心理的にはテレビドラマもバラエティー番組でもみなそうだ。
しかしより高次な内容であればあるほど祭りの意味は深まり与える影響も深くなるに違いない。

松本清張だけではなく
文学は祭りである。
私たちはそれを鑑賞しそれによって現実世界へのエネルギーを充填できるのである。