【ブログ版】世界の名作文学を5分で語る|名作の紹介と批評と創作

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私はいつ芥川賞作家になるのをあきらめたか?

私はいつ芥川賞作家になるのをあきらめたか?

芥川賞を取るんだと心に固く誓ったのはいつだったか?
たぶん高校1年のときに、村上龍限りなく透明に近いブルーでデビューしたときだ。
当時として、史上最年少での受賞であり、村上龍がテレビにでていろいろしゃべるのも恰好よかったので、ファンになり、自分もあんな風に作家になるんだと思ったものだ、しかしファンとしての対象は立ち居振る舞いとしての村上龍であり、作品であるブルーはひとつも面白くなかった。延々と黒人と日本人女性が絡みつく描写をしていることしか覚えていない。
さて大学になると趣味は文学で将来は芥川賞作家になるつもりですと、自己紹介の機会があるたびに言ってたので、面白がられてじゃあもし受賞したらギターを買ってくれとか、車を買ってくれとか、銀座の店を貸し切りで飲もうとか、いろんな約束を安請け合いした。だからもし私が今後芥川賞を受賞して、昔の友達が自分たちの約束を覚えていてその権利を主張するなら、わたしは破産だ。(笑)
社会人になっても芥川賞作家になるつもりでいた。どこかの時点で受賞して、惜しまれながら会社を辞めていく時を待った。
さて、いよいよ35歳を過ぎて真剣に小説を書く10年が始まった。毎年どこかに応募しては落選したが、一度だけ予選を通過し5回ほど地元の新聞に紹介され、作家としてラジオに出演したこともある。
芥川賞はとれなかったが、まったく才能がないわけでもない、そんな状態にそれなりに満足してやがて小説も書かなくなった。
作家デビューで遅いのはモーパッサンの42歳、その時まではまだ大丈夫と若いころからずっと 思っていたが、やがて42歳を超え、最後の砦のレイモンドチャンドラーも53歳の本格デビューだったがそれすら追い抜いた。
最近は文学ユーチューバーになって自分の文学ブログと連動して、様々な作家や詩人を紹介しながら詩や小説の一部の朗読などをしている。これが楽しい。そしてSNSの文学グループで小説の批評などをやっているがこれも割と楽しい。
芥川賞は取れなかったが一生モノの趣味として文学は残ったのだ。趣味ではない。生涯の友のようなものだ。芥川賞を目指していてよかんたんじゃないかなと思う。